バート・バカラック・プレゼンツ・スウィート・メロディーズ
バート・バカラックはレノン&マッカートニーと並んで20世紀後半のポピュラー・ミュージック界を代表する作曲家といってよいと思いますが、活動歴が長く、また自身が作曲家であり演奏者でないため録音が散在しており、どこから手をつけたらいいか分かりにくく、全体像が捉えにくいミュージシャンと思います。
個人的にはバカラック名義のアルバムやディオンヌ・ワーウィックとの録音から入りましたが、そういう風に聴くといわゆる「代表曲」の「代表的名演」の取りこぼしが出てきます。例えば最も有名な曲のはずの「雨にぬれても」「アルフィー」「何かいいことないか仔猫チャン?」などはわざわざサントラを買わないといけません(バカラックのベストで聴くとこれらの有名曲はバカラックによるインスト再録音であったりして、曲の良さが伝わりにくくなっています)。
この編集盤は、収録の全50曲のうちワーウィックの録音はわずか7曲、バカラックは3曲、ダスティ・スプリングフィールドは2曲、残りは全部別のアーティストによる録音です。わざわざ集めるとなると大変な曲をしっかり収録していて、かなりの労力の節約になり大助かりでした。「英国編集のため、オリジナル録音でなく英国で馴染み深いアーティストで録音したものに差し替えた」というのが9曲ありますが、代表曲は基本的にオリジナルですし、その9曲のうち5曲はワーウィックがオリジナルで簡単に手に入ります。音楽好きでない人を対象としたのかな?というようなバカラックに無縁の装丁が気に入りませんが、解説は比較的充実し歌詞・訳詞まで載っています。
バカラックの入門編としては最高の1枚になると思います。
Heartbreaker
ビージーズとのコラボによる傑作アルバム。名作と呼ばれる前作「フレンズ・イン・ラブ」からわずか半年後のリリースで、なぜこんな短い間隔でと思われましたが、ライナーノーツによると、アリスタの社長クライブ・デイビスがとある結婚式でビージーズのバリー・ギブと同席し、ディオンヌのアルバムをプロデュースしないかと持ちかけたところ、ぜひという話になり、スケジュール調整をしたところ、直近しか空きがなく急遽レコーディングの運びになったそうです。以前バーブラ・ストライザンドを手がけた際と同様に、曲作りからしっかり作りこんでいますが、同じ穴の狢を狙ったようなところは一切なく、見事にディオンヌのアルバムとして完結しています。1、6といったゴージャスな曲以外にも、ビージーズならではのコーラスが活きた2、4など佳曲ぞろい。聞いていて至高の幸せに浸れるアルバムです。当時単なるシンガーにそれほど興味を持たなかった私でしたが、このアルバムには脱帽。その後音楽を楽しむ選択肢を増やしてくれた貴重なアルバムです。
ラヴ、ハーモニー&エタニティ~グレイテスト50・オブ・スティーヴィー・ワンダー
とても聴き応えのある内容です。
そして、音もいい。
ただ星4つにしたのは、Part time lover が収録されていなかったから。
でも、あれもこれも…と言うのは贅沢かな?
唯一、その点さえ除けば、収録数でこの値段はとにかくオススメです!