志ん朝復活-色は匂へと散りぬるを ぬ「高田馬場」「甲府い」
所詮落語なのだから、と割り切ってしまえばいいのだろうが、「高田馬場」には、大道芸の演出もあるし、群集心理もあるし、落語のいろんな面白さのてんこ盛りがある。しかし、いかに、マスコミがなくても、この種の事件が起これば、江戸中がひっくり返るくらいの騒ぎになるであろうし、現にそうなった。
とすれが、この「あだ討ち屋」商売は、一回こっきりしか使えないはずで、しばらく鳴りを潜めていなければならないはずである。
それが、部隊である高田馬場で酒を飲んでいて種明かししてしまうのは、やはり無理があると思う。
それはそれとして、見事にばかばかしい噺だが。
「甲府い」も「そんなうまく行くのかね」という噺で今ひとつなじめない。
そういうもともと問題のある噺をとにかく、とことん笑わせてくれた師匠には感謝です。