THE GREATEST HITS OF HIROMI GO
アイドル歌手として芸能界に飛び込んだ郷ひろみが、業界の荒波にもまれな
がら完成された大人のシンガー、HIROMI GOへと成長する課程をこの2枚
組CDで堪能することができます。それにしてもDISC1に収められた
初期の作品の完成度には驚かされます。「裸のビーナス」「よろしく哀愁」
「あなたがいたから僕がいた」「マイレディー」などは今聴いても胸が
熱くなります。現在ヒットチャートを賑わしている曲の中で20年以上
経過しても色褪せない曲が一体何曲あるでしょうか?
DISC2には、名カヴァーの「哀愁のカサブランカ」と「ケアレスウィ
スパー」、そして近年の作品の中で出色のバラード「言えないよ」が
収録されています。特に50万枚以上のセールスを記録した不滅のバラード
「哀愁のカサブランカ」はいつ聴いても涙腺が緩みます。この曲はドイツ
の詩人ゲーテを4世代前の伯父さんに持つバーティー・ヒギンズがオリジナル
でしたが、はっきり言ってヒギンズのオリジナルを圧倒していました。
日本人アーティストが洋楽をカヴァーする場合、オリジナルを越えることは
殆ど不可能ですがHIROMI GOはそれをやってのけた本当に数少ない日本人
アーティストの1人です。
カサブランカ 特別版 [DVD]
☆第2次世界大戦真っ只中、フランス領モロッコのカサブランカは、ナチスドイツからアメリカへ亡命する為に逃げて来た避難民であふれていた。そんな土地で酒場を経営しているリック(ハンフリー・ボガート)は、ある日、反ナチスのリーダーとして名高いラズロ(ポール・ヘンリード)から、彼の持つ偽装パスポートを買いたいとの訪問を受けるのだが、実はラズロの妻は、その昔パリでリックと恋愛関係にあったイルザ(イングリッド・バーグマン)だったのだ。そんな2人が再会。男と男の友情とイルザとの愛のはざまに揺れ動くリックは、複雑な想いにさいなまれる…。という、『風と友に去りぬ 』や『我等の生涯の最良の年』等のアメリカン・クラシック名画の代表作に必ずと言っていいほどランクされる、今なお色褪せない、美しくも儚い、オーソドックスなラブ・ストーリー。監督はどんなジャンルでも手際よくこなす、重鎮マイケル・カーティスさん。構成そのものは意外に典型的で、それほど賞讃に値するような部類の作品ではない。しかし、個人的に一番、感銘を受けたのは、嘘偽りのない本物の男と女の愛を繊細に描いている事であり、その憂愁たっぷりの心理葛藤描写はうまい。既に多方面のレビューの皆様が語り尽くしておられるので、説明不要とは思いましたが、やはり、スタンダードの名曲『アズ・タイム・ゴーズ・バイ』のメロディが心地よい雰囲気を醸し出し、作風にエキゾチックな甘美を添えている。主人公は貫禄たっぷりな風格と渋味を兼ね備えた名優ハンフリー・ボガート。かたや、綺麗で知的なエレガンス・ビューティー、イングリッド・バーグマンの洗練された美しさ。この2つの個性が融合した見事な演技合戦は、阿吽の呼吸と言えばよろしいのでしょうか、息がピッタリで、非の打ち所がなく、不純物を含まない清純な大人のドラマならではの醍醐味を堪能させてくれます。なお、本編は1943年度のアカデミー作品賞、監督賞、脚色賞のオスカーを獲得。以下にもアメリカ国民好みの題材ゆえに、当時のアカデミー会員の心を揺さぶった結果だろう。愛国ならぬ、国策映画らしい匂いもプンプン漂うのは、ご愛嬌だろうが、これぞ古き良きアメリカ映画本来の王道を受け継いだ正統のハリウッド映画でゴザイマス!☆。
ロイヤル・ストレート・フラッシュ
YouTubeをチェックすれば、阿久悠特集で70年代の懐メロを画像つきで堪能することもできるのですが、それでも買ってしまったのがこのアルバムです。
ジュリーは美声で、当時のウリだったヴィジュアルなイメージなしでも聞かせてくれます。(まあ、それでも帽子を投げたくなったりしますが)
当時の流行歌でも今聞くと面白いとは思えないものも多いですよね。でも、ジュリーのヒット曲は違います。「沢田研二=井上堯之バンドのリード・ヴォーカル」とも言われるそうですが、先入観ない人達が、日本の70年代に席巻したごくプロフェッショナルなロックバンドとして聞いても、十分面白いのではないかと思います。
沢田研二って俳優としても上手いし、志村けんとのコントでも笑わせてくれましたよね。歌詞やメロディがあんなにもドラマティックに展開していくのを、この人でないと表現するのは難しかったのではないでしょうか。
カラオケで歌い易い歌か、あとは年代別の趣味にあわせて細分化する一方の現在のJポップの状況から見ると、あの頃には、小学生からおじいちゃんおばあちゃんまで、思わず一緒にお茶の間のテレビに見入ってしまうエンターテイナーがいたんだよなあ、と思わずにいられません。
新曲ROCK'N ROLL MARCHを聞いて改めて興味を持った人達にもお勧めです。
カサブランカ〈プレミアム・ボックス〉 [VHS]
1940年代、まだ独軍に占領されない仏領モロッコの都カサブランカは、ナチスから逃れて渡米するために通過しなければならない寄港地である。そこでナイトクラブを経営しているアメリカ人リックの元へ、ナチスから逃れて来た反ナチ運動の指導者、ヴィクター・ラズロが現れる。だが、ラズロが連れていた女性を見てリックは驚愕する。それは、かつて独軍侵入直前のパリでリックと熱烈な恋に落ちた美女、イルザだった。・・・
アメリカ映画の古典的作品で、「君の瞳に乾杯」の名セリフで有名な作品です。泣ける恋愛映画、というイメージだったのですが、単なる恋愛映画ではありませんでした。第二次世界大戦の戦時状況、ルノー警察署長や独軍のシュトラッサー将校とのやり取りなど、卓越したサスペンスドラマでもあります。特にリックのクラブでドイツ兵が国歌『ラインの守り』を歌う中、ラズロたちが対抗してフランス国歌『ラ・マルセイエーズ』を歌うなど、堂々とした愛国心が感じられて何だか私まで胸が熱くなってしまいました。このルノー警察署長というのがいい味出しているキャラクターで、リックとのやり取りも面白いです。
恋愛に関しては、熱烈というよりも穏やかで密かにお互いを想い合う印象を受けましたが、それがまた本当に哀愁を感じさせるストーリーで泣けます。そんな2人の恋愛を彩る「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」がしっとりしたバラードで、この映画には本当にお似合いです。