CROSSOVER III~Premium meets Premium~ [DVD]
「不出来」との評価が、(私を含め)ファンの間でも多かったアルバム「Flare」。
そのアルバムの発表からわずか2週間後のこのライヴ。
前の芸術劇場のライヴよりも、ホールのキャパシティは小さくなり、
メンバー編成も、小ぶりなものとなった。
しかし、そのことによって音楽がスケールダウンすることはなく、
むしろ、響きのニュアンスが微細な部分にまで浸透し、
室内楽ホールとしては世界屈指といわれる音響も相まって、
親密さと壮大さを併せ持つ、実に豊かな響きを実現させた。
そしてその響きを生み出す、彼女の心のうねり……。
宇宙の中で共鳴しあう、その一音一音に、それぞれの意味を含ませ、想いを託す歌……。
空間に生み出された、純度120%の響きに、
私は、彼女の表現者としてのプライドと、決意表明を見た。
決して、大きく揺らすだけではない。
揺らぎがわずかなものであっても、
聴き手の心に、じわりじわりと浸みこむ。
アルバムのタイトルとなった「Flare」の本当の意味は、
実はその「揺らぎ」のことなのかもしれない。
「私は、アーティストではなく、歌い手である」
彼女はこう言うのだが、
このような素晴らしい歌い手の存在を、世の中は、
気づかないし、気づけないし、わからないし、わかっていない。
なぜわからない?
作品の魅力を、言葉の持つ美質を余すことなく伝えられる、本物の歌い手の存在を。
「ひばりだけが到達した領域」。
そんな不可侵な領域に、手を伸ばしたくても誰も届かないなか、
島谷ひとみ、彼女だけが唯一、手が届く可能性を秘めている。だからこそ
「島谷ひとみこそ、美空ひばりの後継者」
と言いたい。
「生まれてくる時代を間違えた」のではない。
「時代が、評価を誤らせてしまっている」のだ。
正統な歌い手に、正当な評価が与えられる時代が来ることを願うばかりである。
男と女3
私は「男と女」に対して、あの稲垣潤一の「デュエット・カバーアルバム」という企画の目新しさと、その新奇さをものともしない圧倒的な完成度により、躊躇なく星5つをつけました。しかし第二弾は想定外のトーンダウンでコメントを控えました。ということで第三弾は期待半分で聞きましたが、全体的にサウンドにリッチさが戻り、第二弾よりは繰り返し聞けそうなアルバムだと思いました。
「男と女」シリーズの楽しみは、1.新しい歌姫(とJI)が曲をどうカバーするか、2.二人のハーモニーはどうか、3.アレンジはデュエットとどうからんでいるか、そして4.三者が相まって曲全体が窯変し、新しい価値が生み出されたか、などでしょう。「男と女3」をその視点でさっと一聴してみて印象に残るのは、NOKKOの「浪漫飛行」、小比類巻かほるの「夢をあきらめないで」、そしてHayleyの「オリビアを聴きながら」の3曲です。どれも歌姫のユニークなヴォイスと歌唱力が印象深く、特にNOKKOの存在感は唯一無二。よりドライブ感溢れる曲でJIとの再デュエットを願いたいところです。
さて「男と女3」の最大の意欲作(問題作)はHayleyの「オリビアを聴きながら」ではないでしょうか。掉尾を飾るこの曲は、そうきたか!の、JIと「アメイジング・グレイス」のNZケルティック・ウーマンとのデュエット。まさに「日本レコード大賞」企画賞受賞の面目躍如といったところです。さっそく拝聴してみると。。。うーん、第一印象は違和感に首を傾げざるを得ませんでした。理由は;
1.Hayleyのやや舌足らずな超絶ピュア・ヴォイスとJIのファンキー・ヴォイスとのミスマッチ。
2.Hayleyのイメージそのままのハープやネイチャーサウンド、また「眠れぬ夜は星を数えてみる」「光の糸をたどれば」などのフレーズに対するウインドベル効果音などの予定調和的なアレンジ。
ですが、この違和感に引きずられて繰り返し聴いていると、否、オリジナルの「オリビアを聴きながら」は二人のデュエットとアレンジにより不完全ながら窯変して、新しい価値の彩りを見せている!と感じたのです。
この曲、解釈は色々あるようですが、一応「愛との訣別」を歌ったものと考えられ、美しい旋律に「優しい人だったみたい。けれどおしまい」などの虚無的なフレーズを乗せた、オフコースの「秋の気配」にも似た70年代の男女の「愛の不毛」を体現する名作と言えるでしょう。
その毀誉褒貶相半ばする歌詞に眉を顰めながらも、しかしひょっとした拍子に、この歌が二人のデュエットにより「愛の不毛」の歌ならぬ、「愛の賛歌」に聞こえてくるのは、果たして私だけでしょうか?Hayleyの穢れを知らぬあくまで清澄なエンジェリック・ボイスは、あたかもJIと共に手を携えながら天に昇っていくかのようです。そのデュエットを壮麗なストリングスの光が包み込み、ハープのフィナーレとともに天上に戴冠した二人は、「とこしなえの愛」に満たされるのです。
つまり、このHayleyの「オリビアを聴きながら」では、いわば「愛の不毛」が「至純極まりなく表現される」ことにより、一転して「愛の永遠」へと価値が転換されたと言えるのです。そしてそこには、不毛な人間関係がはびこる現代を憂える制作側の(巧まざる?)意図がある、と考えたいのです。
私はHayleyの「オリビアを聴きながら」が傑作かどうかは判断を留保します。やはりデュエット、アレンジ、歌詞の調和に違和感が残り、その良さを味わうには曲を聞き込む必要があると思うからです。 ですが、その試みや良し!と讃えたい。なぜなら、新しい試みがなければ、芸術に「アメイジング・グレイス(驚くばかりの恵み)」を見出だすことは不可能だからです。
HITOMI SHIMATANI PHOTOGRAPHY―島谷ひとみ写真集
今や日本を代表する歌姫 島谷ひとみの唯一の写真集。
丁度「亜麻色の髪の乙女」が大ヒットしていた頃。
ハワイのを舞台に島谷さんが笑う、走る、寝る、走るなど色々な動きを無理なポーズではなく、スナップ的にカメラで追っている雰囲気。
おかげで、とても自然な姿に溢れとても癒し系な仕上がり。
ビキニもどき(下はホットパンツ、上はビキニに白いシャツ)でも、綺麗な脚や胸はセクシーに見える。
現在は書店で余り見かけないので、要チェック!
島谷ひとみ VISUAL WORKS 2004~2006 [DVD]
何度見てもいい! マニッシュからフェミニンまで、島谷ひとみのパフォーマンスレンジの広さに圧倒される、文句なしの最高PV集。
【マニッシュ】かっけー!
ANGELUS-アンジェラス-……全身黒ずくめの男達が立ちはだかる中、ひとり潜入突破を図る“スナイパーひとみ”。骨も砕けよと蹴りを放つ激しい格闘シーン。敵をキリリと睨みつける目力にノックダウン。
【フェミニン】かわゆー!
Camellia-カメリア-……瀟洒な洋館で開かれた華やかな舞踏会。フロアで踊る盛装の紳士淑女の中でも、ひときわ輝く一輪の花。人なつっこい笑顔とイタズラっぽい視線にクラクラ。
Violaも、Jewel of Kissも、追憶+LOVE LETTERも、Garnet Moonも、Falco-ファルコ-も、真昼の月も、うっとりするほど美しい映像と色彩が盛りだくさんです。
※本作購入にあたっては、2009年発売のベストアルバム『BEST & COVERS(DVD付)』も比較検討してみては。ただし、「追憶+LOVE LETTER」「I will」「Camellia-カメリア-」のPVを観たいなら、やはり本作を!
CROSSOVER IV -Premium meets Premium- (LIVE CD付) [DVD]
普段なかなかお目にかかれないアルバム曲やカップリング曲もありで、
ほかのPMPライブ以上に仕上がりが楽しみ!
liveにはお邪魔できなかったので、衣装やトークなども、みどころあると思います(*^。^*)
ライブDVDはおすすめできます!