伝説の教師 VOL.1 [VHS]
このドラマなんかもいいタイミングで放送していい事いってたな、って思うんですよ。「踊る〜」の映画の一作目も今の現代に投げるメッセージとしては最適なものを投げていたな、って感じがします。
先の「ライブドア」の人なんか「典型的なIT時代の申し子」だったと思ってるんですが。あの人の軌跡を追うだけでいくらでも見えてくるものがあると思うし、問題提起できるはずなのに、最近は私が思ったよりマスコミは言及してない気がするのは気のせいでしょうか?
簡単に言うと、「世界はそんなに単純じゃないはずなのに、自分たちだけの居心地がいいオタクネットワークの中だけにある認識だけでまかり通ると思ってる」ということだと思います。「勘違い」してるんじゃないかな、ってことです。なにより私が気分悪いのは、当の大人の人たちが思ったよりこれらを野放しにしてる気がするってことなんですが。ただ口に出さなくても、たいがいの人は「分かってる」と思っています。「見てる人は見てる」と思ってます。
せいぜいドラマが見れたのもこのあたりまでだったな、って感じがします。最近は私はほとんどTVを見てませんが、まだこの頃は見ていました。
青春
タイトルが大袈裟な気がしますが誇張は無しです!
この真島さんの歌詞+ノリノリのメロディーがマッチしてとても素晴らしい曲となっています。
青春をカラオケで歌うとこの曲を知らない友達も一緒に口ずさんでくれますよ!今ではカラオケの定番ソングとなっています。
成功の教科書 熱血!原田塾のすべて
世の中に「目標を設定」し、これを実際に「実行」するための方法論を書いた本は数えられない程ありますが、これは「極めつけ」です。
冒頭で著者は、成功は「技術」であると言い切っています。教科書というだけあって、非常に具体的に目的をかなえ成功するための手順が書かれています。
荒れた公立中学校を建て直し、13回も陸上日本一を成し遂げた伝説の「カリスマ体育教師」「生活指導の神様」のノウハウと哲学ですので、「ここまでやるか」と思わせる迫力があります。(本当すごいですよ)
この“システム”は、ユニクロはじめ有名企業の人材育成プログラムにも導入されているということです。自己啓発本の極みを皆様もどうぞ。
評価は◎ですが、自分は実践できていないなぁ・・・。
奇跡の教室 エチ先生と『銀の匙』の子どもたち
「本の紹介」
「東大合格発表と奇跡の教室」
3月10日、テレビで東大の合格発表風景が映し出されていた。折も折、私は東大に大量合格させている灘高校に関する本を仕入れて読んでいた。この本は教育の原点ともいえる本物の教師が覚悟して読む本だ。2冊セットで読まないと何の事だかわからないだろう。灘高は神戸にある酒造の会社、白鶴、菊正宗、桜正宗の3社が出資して昭和3年に創立した私立中学校である。(当時の旧制中学校)
1冊目 エチ先生と『銀の匙』の子どもたち「 奇跡の教室 」 1300円
2冊目 銀の匙 著者 中勘助 560円
本の内容はあだ名がエチ先生と言われる橋本 武先生が灘高に赴任してきて、当時はそれほど有名でなかった灘高を東大合格全国一の学校に仕上げるまでの物語である。
どのようにして勉強させたのかということを紹介しなければならない。まず灘高校は中高一貫教育システムである。一人の先生が中学1年から高校3年まで同じ生徒を一貫して持ち上がる。5回卒業させると30年たってしまうのだ。
エチ先生は当時私立が公立の格下とみられていた灘校へ昭和9年に赴任した。しかしエチ先生が本格的に子供達を教育し始めたのは昭和25年からである。その間第2次世界大戦があり教育どころではない日々が続き、戦後教育が本格的に腰を落ち着けて取り組めるようになった昭和22年、GHQが6・3・3・4制を取り入れてからになる。
戦後処理も一段落した昭和25年灘中学1年生を受け持った橋本エチ先生はここからユニークな教育で生徒達を鍛え始めた。エチ先生の担当教科は国語。学校長は一切の指導法を担当教員に任せる太っ腹な人物だった。エチ先生は教科書を一切使わない国語の授業を展開した。この事だけ聞くと日教組の教員が喜ぶだろうがまねできるのならやりなさいと言いたい。同じ自主編成カリキュラムでも最後の到達点が全く違う。(一方は自分の国に逆らう人間を製造するカリキュラム、もう一方は国のために尽くすカリキュラム)そこで登場するのが一冊の文庫本『銀の匙』という教材である。作者中勘助が27歳の時書きあげた散文で、自分の幼少時代の世界を描写した優れた文章である。この文章を最初に認めたのが夏目漱石であった。
なんとエチ先生はこの薄っぺらな文庫本1冊を中学校3年間かけてゆっくり読み解こうと企てていた。エチ先生の教育理念は'@あえて捨てる。'Aあえて徹する。'Bあえて遠回りする。こうして自分で文庫本の文章をガリ版刷りにして生徒に渡しながら授業を進めて行った。私が1日で一気に読んだこの文庫本『銀の匙』は208ページ。これを中学3年間でゆっくり読みながら脱線を繰り返し、生徒を独特の世界に導き勉強の意欲を沸き立たせていった。
エチ先生の口癖は「すぐ役立つことは、すぐ役立たなくなる。」ということだ。本も速読という読み方もあるが、エチ先生はスローリーディングを生徒に要求した。
エチ先生に受け持たれた子供達は教材『銀の匙』の中で主人公が百人一首で遊ぶシーンが出てきたら自分達も百人一首に挑戦し、カルタ大会にまで発展してしまう。ほとんどの生徒がその時百人一首を暗記してしまうのだ。また主人公の少年が伯母さんと『春の七草』摘みをしている場面に出くわすとみんなで七草について深く勉強していく。七草がゆを食べてみる。
このように脱線や寄り道をしながら子供達の興味や探究心は止まることなく膨らんでいった。この子供達にとって東大に入るための勉強で塾に通うような悲壮感はない。楽しみながら勉強し東大に入ることは単なる通過点に過ぎないような雰囲気が形成されていったらしい。
東大を出て世に名を馳せた教え子は数えられないほどいるが、分かりやすいところでは日本弁護士連合会第36代総長海渡雄一氏、東京大学第29代総長濱田純一氏、ジャーナリスト黒岩祐治氏などが思い当たる。
エチ先生は現在99歳で元気そのもの。未だに子供達にとって最適な教材を求めて教育活動に情熱を注がれている。彼こそ真の『ゆとり教育実践者』である。興味をもたれた人は先ず、『奇跡の教室』から読まれた方が良いでしょう。その後『銀の匙』とはどんな本なのかを読まれたら良いと思います。この本をどのように取り扱えば東大に当たり前に入ってくれる子供に育っていくのか興味深いものがあります。
この本を読み終えて、能力のある生徒がいて、その才能を伸ばす教師が生徒に『注入』するのではなく生徒の能力を『抽出』させることができるような教育を私も過去に戻ってもう一度トライしてみたいと思いました。