星を見る
1stアルバム再発、数々の雑誌インタビューに応えるボーカルの宍戸、
また、その宍戸が最近になって日記をつけ始めたりと、今年の割礼は変化が多いと感じていた。
だからこのアルバムが発売されたとき、「これは絶対に何かある」と思って買うことにした。
結論を言うと、「PARADISE・K」「ネイルフラン」「ゆれつづける」に継ぐ大傑作である。
ファンならば待ち侘びていたであろう「リボンの騎士(B song judge)」という大作が収録されている上、
新曲である「マリブ」ののっそりとしたバラード、
割礼特有のスローテンポな曲調が最大限に活かされた表題曲「星を見る」(歌詞がユーモラスだ)、
止めどないギターリフが心地よすぎる「ルシアル」など、良曲ぞろいだ。
正直なところ、「空中のチョコレート工場」や「セカイノマヒル」あたりのポップな路線には
食傷気味であったが、7年も費やされたこともあり、今回のアルバムは最高の出来だ。
個人的には2010年最大のヒットにも成り得る。
※仕様は二つ折り紙ジャケ。さも当然のことのように歌詞カードが入っていないのが残念でならない…
「リボンの騎士」はともかく、新曲の歌詞ぐらいは付けてもらいたかった気分だ。
イエスの生涯 (新潮文庫)
信念のために頑張る男が死を選ぶことにより信念を成就させる話です。
イエスを中心に当時のユダヤ人の生活状況や時代背景、ローマ帝国、ユダヤ衆議会の策略が絡みあい背景も非常におもしろいです。
またユダとイエスの関係が裏切り者と裏切られた者でなく、作者独自の解釈で書かれておりいい意味で衝撃的で心震えました。
弱い人間である弟子達がイエスの死により変わっていく様も感銘をうけます。
誤解され傷つきながらも自らの信念を貫くために歩むイエスの苛烈な生き様をぜひ読んでほしいです。
小説はとっつきにくいという方にはダイジェスト版『遠藤周作で読むイエスと十二人の弟子』(新潮社)がオススメです。カラー写真も豊富で読みやすいです。(私もこれを読んで小説を手にとりました。)
以上キリスト教云々でなく小説のおもしろさで語らせてもらいました。
キリストの誕生 (新潮文庫)
これは遠藤のカトリック信仰のしゅうたいせいである。
彼は、キリストの再臨の解釈を、再臨して今横にたってくれている同伴者としてのキリストであると考えています。
これにより、キリストが今生きている私たちに身近なものであること
が理解できます。
確かに反論は多いと思いますが、私は手術で入院時にこの本をもちこんで、ベッドの上で、感動共感した事を覚えています。
その背景には遠藤が結核で手術入院の経験が、大きく影響していると思いました。私は遠藤の著作で、カトリックの洗礼を受けました。
兎に角難解であるが、いい本なのです。2,3回は、読んでみてください。
マグダラのマリア―エロスとアガペーの聖女 (中公新書)
クリスチャンを除いて、マグダラのマリアを知っている日本人は殆どいないと思う。
この本を初めて手にとって聖書にこんな女性が登場していたのかと
聖書のイメージを良い意味で壊してくれていると思う。
また、クリスチャンにとってもマグダラのマリアのことは聖書では
あまり詳しく紹介されていないので、良い情報源にはなると思います。
特に時代時代によって、マグダラのマリアの捉え方がどう変わって、
今後も変わり続けていくような、本当に彼女の存在は今も生きていることが分かりました。
ただ、あまりに時代の流れを詳しく調べるが故、筆者の持論と言うのがほとんどないのが残念である。
また、内容もノンクリスチャンも読むことを想定して書かれているので
紹介記事もどっち付かずの中途半端な感は否めません。
それから、一番気になったのが、挿絵とそれを説明しているページが離れていたり絵が多すぎて、
著者の意図としては詳しく解説しているつもりだろうが、
逆にぼやけてしまっているように感じられる。
そう言う意味もあって評価は厳しくしましたが、貴重な本と言うことは間違いないので、
再版された時に、もう少し分かりやすいレイアウトになることを望みます。