黒い十人の女 [DVD]
黒い十人の女……このタイトルにして、モノクロームの映像美!
作品全体を通して色濃く出ているモダンジャズを思わせる、アシッドなリズム。
サスペンスでありながらも、どこか滑稽なストーリーはこの人なくして成立し
ないだろう、といえるほど主役の船越英二のクセのないサラリとした演技は作品
に非日常のリズム感を与え、元ミス日本の山本富士子を始め、岸恵子、中村玉緒、
岸田今日子などなど、美しすぎてクセのある十人の女優から放たれる濃密な演技
や台詞まわしは、背後流れているドロドロとした人間の不自由なエロス世界を、
非日常的なものから日常へと確信的なリアリティのある、スタイルとファッショ
ンによって、あくまでファッショナブルに、そしてスタイリッシュに映像として
昇華させています!
これぞ映画全盛期の大映時代、迸る感性を映像の細部に観ることが出来ます。
大怪獣ガメラ デジタル・リマスター版 [DVD]
この作品は1965年に公開されましたが、僕はその後ビデオで見ました。ストーリーはきわめて「ゴジラ」に似ていて、北極海の氷の下に眠っていたガメラが原爆により目を覚まし、北海道の襟裳岬に上陸するというもの。
ガメラ・シリーズの第1作目ですが、低予算だったためこの作品だけモノクロ。しかし、かえってシリーズの中では、重みのある作品となっています。
この作品のガメラは、破壊もしますが、子どもを助ける場面などもあることから、子どもを対象にした怪獣映画という面が最初から濃厚でした。
1957年に東宝が「ゴジラ」を公開して、8年。すでに東宝も怪獣映画の大衆娯楽化に進んできていたこともあり、遅ればせながら大映は最初から子どもをターゲットにした怪獣映画が目的だったんでしょうね。
第15作 男はつらいよ 寅次郎相合い傘 HDリマスター版 [DVD]
寅さんの言葉に反応するさくらの答えですね。浅丘さんは本当に巧い役者さんですね、惚れ惚れします。忘れな草で結婚したけどやはり一箇所で落ち着く事が出来ない似たもの同士のリリー。大喧嘩のあとの柴又駅からの相合傘は何度観ても切なく美しいです。シリーズとして続くのですからハッピーエンドはないことはわかっているけど、一緒になってもらいたかったな、ねぇさくらさん。