セブン・イヤーズ・イン・チベット〈ニューマスター版〉 [DVD]
前半ブラピともう一人が登山に失敗してチベットで生活する事になる
奇麗すぎるチベットの様子や
現地の娘との恋や
東洋的権威に対する一種バカにしたタメ口感覚を見て
お決まりの白人映画ですか
と思ったんだけど
後半から中国軍のイキナリの進行と虐殺が始まる
これを書くために一種の白人からみた楽園的見せ方を前半でしてたのかも
(安易だ)
ブラピの役も旅先で離婚されたりで、個人の抱える人生の悩みみたいなのがあってそれに対する心の開放なんかも、ダライラマとの交流で描かれてはいるけど
西欧人の作った都合のいい映画って感じで
あまり深くは無いかなぁ
チベットの事はわかりません
セブン・イヤーズ・イン・チベット―チベットの7年 (角川文庫ソフィア)
映画化された・・というと少々ミーハー的なイメージがあるかもしれませんが、この原作はまったくそのようなことはなく、きちんと、しっかりとした内容で、50数年前の平穏な頃のチベットについて書かれています。
紀行文学という部類にはいるようですが、チベットの風土や土地や生活について知る風土誌としても、チベットが一国であった頃の様子を知る歴史書としても、ダライ・ラマの若き頃の伝記としても、またチベット仏教について知る仏教書としても、すばらしい一冊だと思います。
最近はチベットについての紀行文も多く出ていますが、その大半は著者の自慢話や自己満足に終わっているものが多く、冷静な目で落ち着いてチベットを語っているものが少ないと思いますので、この本は大変貴重な一冊だと思います。
ただし、現在のチベットは、この本に書かれているような独立した国ではありません。この著者ハインリヒ・ハラーが再度、チベットに赴くことができたら、現在のチベットをすばらしい文章で私たちに伝えてくれることでしょう・・それが出来ないと思われるのが残念です。
レイプ・オブ・チベット―中華的民族浄化作戦 (晋遊舎ブラック新書 11)
タイトルも装丁も何か「あやしげな」本に見えますが、読んでみてびっくり。意外にも、とても真面目に書かれたしっかりとした内容の本です。
[序章(約30ページ)]2008年の北京オリンピックの年に起こったチベット人の行動と中国当局の弾圧について記述。
[第1章]「領土的レイプ(約30ページ)」。中国による領土侵略の歴史的経緯について記述。
[第2章]「文化的レイプ(約50ページ)」。主にチベット仏教や信者に対する徹底的な弾圧について記述。
[第3章]「人種的レイプ(約40ページ)」。チベットの人々(男女を問わない)に対する投獄・拷問・強制不妊などについて記述。
[第4章]「経済的レイプ(約50ページ)」。中国人が大挙してチベットに移住しつつあること、主要な商業経営者や官民の職に中国人が就いてチベット人には底辺の仕事しかないこと、経済や教育の力でチベット人やその言語を無用なものとし消滅させようとしていること等を記述。
[第5章]「チベットに自由を!(約15ページ)」。
200ページあまりの普通の新書の分量でありながら、さまざまな観点を適度に解説し、しかも平板にならず興味を持って読むことができる、なかなかの本です。何度もチベットに行き、人々と話をし、現地の情勢をみてきた著者だからこんな記述ができると思います。
私は、最近チベット関係の本を何冊か読みましたがこの本が一番バランスがとれているように感じました。また、「あっ、なるほど」という視点もところどころにありました。
良書です。ぜひ読まれるべき本です。