B23 地球の歩き方 ペルー 2010~2011
個人旅行としてペルー周辺諸国を訪れるには、大変役立つ本でしょう。ホテル、レストランについての事前情報は特に有用。インカの歴史を簡潔に紹介しているコーナーもあり、観光旅行で行く分には不足はありません。
反面、パッケージツアーで旅行する場合は、元々ホテル・レストランの心配はせずに済むので、本書の内容はやや過分でしょう。むしろ、インカの歴史に特化した本を一、二冊読む方が、よほど意義があります。
かつて「地球の歩き方」シリーズの読者投稿欄には、「現地の人と仲良くなった(他のツアー客とは違うぞ)」自慢が多く、鼻につきましたが、その匂いは徐々に薄まり、改善が見られます。ところが、一部のリード文には「地上絵を見るだけにナスカに出かけるのなら、テレビで見たあの地上絵を自分の目で確かめたという感激しか残らないだろう」などと、センスを疑う記載がちらほら。投稿欄は洗練されてきましたが、自らに対するレビュー能力についてはまだまだ勉強中と見受けられます。
反米大陸―中南米がアメリカにつきつけるNO! (集英社新書 420D)
著者は言う「アメリカにただ従うだけなら、日本は生き残るどころか、アメリカの餌食になるのが落ちだろう。それは中南米の歴史が示している」「南米の政権交代をもたらしたのはアメリカ流新自由主義経済をそのまま採用した政府の失敗だったが、政府を変えたのは市民の力である。格差を広げ、弱肉強食の社会を作ろうとする政府に対して、市民が反対の意思を、投票やデモなどの形で明確に表明した」と。中南米の人々が死の恐怖を乗り越えて、超大国アメリカの強欲にNOを突き付けた勇気に、胸が熱くなった。基地問題にしても農業の問題にしても、これから日本がどのような進路を取るべきか考えるうえで、必読の書であると思う。
ナポレオンフィッシュと泳ぐ日
ブリテイッシュロックアルバム。洋楽ロックンロールへの接近。シンプルながら、サウンドで聴かせる作品になりました。なぜか、佐野元春を知らない人に聴かせると、一番ウケたアルバム。
社長 島耕作(7) (モーニングKC)
ボリビアを舞台にした日本、韓国、中国の駆け引きについては、見事としか言いようがない。表紙裏の広兼氏のコメントにも大いに頷いた。しかし、私がここで提起したいのはP80〜P85の島たちのセリフである。日本の若者より海外の若者のほうが優秀で、もう日本人は雇用する必要はない…という会話が交わされていた。確かにそうかもしれないが、今の若者は物心ついたときから不景気で元気な日本を知らない世代なのだから、保守的、内向きになって当然である。島達の世代は日本の若者に希望も与えず、愛国心も郷土愛も滋養せず、未来へのビジョンも示さずに「日本の若者には未来がない、外国人を雇おう」と言うのはどうかと思う。しかもそれを政府のせいにして諦観しているのは無責任極まりない。島達団塊の世代は、日本を借金、ミーイズム、無気力無関心国家にした責任があるはずである。その責任を放棄して若者ダメ論を交わしていたのに違和感を感じた。
…それとも、これは広兼氏の罠なのかな?こういうシーンを描くことで日本の若者を奮起させてやろうという意図があるのだろうか?だとしたら大いに脱帽だが。
scene of “ALMA”~オオキノブオ チリ&ボリビア紀行~ [DVD]
ノブオ本人も、"チャラ"さが全面に出てしまって、このDVDを出すか迷った…とかそんなことを言ってました。
副音声での解説がその極みだと思います(笑)。ただ、個人的には30前後の男達が子供のように遊び、語り、笑う様は悪くないと思ってます。そして旅行中で流れるALMA(ALBUM)の挿入歌演出もなかなかです。
・チリ・ボリビアってどんなところだろう
・ALMAのPVの場所ってどんな場所だったんだろう
・ALMA(ALBUM)の制作裏側が知りたい
・チャラいノブオも見てみたい(笑)
という方にはお勧めです。