ガダラの豚 1 (集英社文庫)
後世に残る名作である。多くの人に読まれたい本である。中島らもは天才である。努力家である。シャイである。優しい人である。単なるエンタテインメントの域を超え、怪し気なものにひっかからないハウトゥー本でもあり、昭和30-40年代の日本の市井を伝える記録本でもあり、アフリカの生態を伝える本であり、宗教・哲学の入門書でもある。この本を読んだ人は「しりとりえっせい」を改めて読んでみるといい。中島らもの素敵で泥臭い人間像が見えてくる。
ガタカ [DVD]
遺伝子工学が発展した近未来では、新生児は受精段階で遺伝子操作をされ、劣性遺伝子を排除することが出来るようになった。自然児で生まれたヴィンセントは、出生時に約30年の寿命と診断され、将来の見込みがない子供として育つ。ヴィンセントは宇宙飛行士を夢見るようになるが、ヴィンセントのように劣性の遺伝子を持つ「不適正者」とはあまりにもかけ離れていた。やがて宇宙開発を手がける企業・ガタカ社で清掃員として就職したヴィンセントは、闇業者のDNAブローカーから、優性遺伝子を持つ「適正者」に偽装する方法があると聞く。・・・
私はほとんどSF映画は観ませんが、この作品は最初からのめりこんで見入ってしまいました。近未来、新生児を希望通りにデザインし、指紋や虹彩がIDの代わりになる時代。独特の世界観ですが、必ずしも不可能とは限らない。淡々としていてシンプルで無機質だけど、どこか哀愁を帯びた「近未来」が、とても美しく撮られているように思います。人間の髪の毛や垢や尿を、こんなにきれいに撮っている映画はないと思います!
また、ヴィンセントの夢へ向かう凄まじいまでの真摯さ、自らの可能性に賭ける情熱には圧倒されました。壮絶なまでに自分の目標へ一歩ずつ近づいていくイーサン・ホーク、キリッと美しいユマ・サーマン、どちらも本当にぴったりのキャスティングです。でも、私の一押しはユージーン役のジュード・ロウ!「創られた」遺伝子による人生を捨てたはずが、ヴィンセントに協力することでもう一度生き始める、という役柄を非常に上手く演じていました。中でも一番良かったのが、ヴィンセントの「偽装」がバレるかもしれない、というハラハラドキドキの場面。二階に上がってヴィンセントのふりをするために、不自由な足を引きずって螺旋階段を這っていく場面は、俳優ジュード・ロウの凄みを感じさせられました。
偽装したヴィンセントの日常を揺るがすきっかけとなった殺人事件のオチは中途半端でしたが、キャスト、ストーリー、映像と抜群によくできた作品だと思います。また、マイケル・ナイマンの切ない音楽も物語を引き立てていて良かったです。
加藤鷹が教える30歳からの恋愛SEX術
自分勝手にならず、相手の気持ちを考える。
言わなくてもわかっているだろう、ではなく自分の気持ちや考えをキチンと言葉に出す。
ごく当たり前のことですが、普段から確実に実行できていたかといえば、疑問がある。
そんなことを再認識できた本でした。
小ざかしいテクニック本を読むより、ずっと勉強になりました。
大げさかもしれませんが、この本と出会えて幸せです。
さすが、鷹さん、やりますね!
ガタカ [Blu-ray]
DVDで20回ほど見ました。
今回BDで久しぶりに見ましたが、やはりいい映画です。
予告編ではSFサスペンスっぽいですが決してそんなことはありません。
人間ドラマと行ったほうがいいでしょう。
今の時代には努力はあまり似合わないかもしれませんが、
頑張り続けるその姿はやはり美しく尊いものです。
どんな状況でも夢を持ち続け、
一生懸命に生きる事の大事さを学びました。
見終えた後は胸が熱くなります。
ガタカ [DVD]
舞台は血・遺伝子の優劣によって全てが決定される近未来。子供は遺伝子操作によって、よりよい「才」を与えられて生まれてくるのが当たり前になっています。そんな世界で自然な形で生まれてきて「不適性者」とされる主人公ヴィンセントの生きる姿に見せられます。
どこか無機質な未来もよく表現されていましたし、舞台設定自体も興味深いですね。遺伝子操作という近い未来の現実的な問題とも見れますし、まさに今ある差別に置き換えてもいいでしょう。恵まれた「才」があるに超した事はないですが、それだけで到底計れない「より根源的な人間の意味・可能性」がよく焙り出されていて、ヒューマンドラマとして見るべきところは多いです。特にラストシーンにかけては圧倒的に力強く、切なくも美しさを感じました。ジュード・ロウの好演が印象的です。
マイナスは多少の端的さと冗長さを感じてしまった事ですが、それを踏まえても余りある傑作だと思います。