マルホランド・ドライブ [DVD]
久々に見たけれど、やはり1シーン1シーンがどれも印象的で、冒頭から目を離すことができなかった。
ストーリーはもちろん、キャスティングもまた絶妙でさらに物語を魅力的かついい意味で不気味、そして妖艶なものにしていると思う。カーミラを探している、とかげのような顔立ちの謎のおじさんや個性的なおばさんココ、色白のカウボーイなど、よくまあ見つけてきたものである。
そしてナオミ・ワッツの起用。彼女の迫真の演技力が、ともすれば不可解なだけで終わってしまうこの映画に、何か説得力のあるリアルな雰囲気をかもし出してくれているような気がする。オーデイションでのシーンでは、こちらまで審査員になったように真剣にナオミ・ワッツの迫力に圧倒されてしまって何度見ても大好きである。
あと忘れてはならない、泣き女!何度見てもじっくり魅入って聴き入ってしまう。このシーン見るだけでも価値ありだと思います。
インランド・エンパイア 通常版 [DVD]
それなりにリンチ作品は観てきたつもりですが、他のレヴューにあるように、誠に物議を醸す作品です。
私は星3つとしましたが、これは「良いか悪いかの判断がつきかねる」という意味でつけました。
内容に関しましては他レヴューをご参考頂くとして、相変わらず、現実と非現実の境界が曖昧な印象でした。
そもそも、そこに境界を設ける事自体が意味が無い、とリンチ自身に提言されたかのような気持ちになりました。
まぁ、今までの作品に関してもそういう印象は受けていたのですが、ただ、この作品に関しては「針が振り切れてる」
とでも言いましょうか、話の筋を求める事自体が…初見では難しい。複数回観ても、難しい。
『マルホランド・ドライヴ』や『ロスト・ハイウェイ』のような見方が全く通用しません。
整合性を考える事が、いまだ出来ていません。
なぜ、あそこで『ロコモーション』?なぜ、あそこで『Rabbits』?
最後のシーンにやや救われた感もある気がしますが、全体を通しては、悪夢をみた後の様な気持ちになりました。
II
あれから15年。幻のバンドが帰ってきた。1st同様、疾走感のあるアルバム。ただ、少し減速気味。
15年前がバンドとして一番いい時期だったのかもしれない。彼らの周辺の事情、お遊び感覚、それらが良い方向に発散されていたのだろう。
2ndも悪くはないのだが、個の化学反応が弱い。ある意味、完成されてしまったのだろう。
1.『マルホランド・ドライブマーケット』は、民生らしいシンプルにして豪胆な曲。ソロと変わらぬ過不足のない詩と音、そして気だるさ。
2.『ハリウッド』は、たちばな哲也によるいかにもドラマーが作りましたという曲。八熊の(昔よりも)しゃがれた声にあう。
1stにも収録されている3.『Rain Song』、5.『Mistake』、7.『All Through The Night』は撮りなおされている。
3、7は1stの方が歯切れが良い。5は、このバンドにあって、どちらかというと異色の曲であるが、このアルバムの方が仕上がりが良い。
4.『Jet Lag』は、橘あつや作曲のギター全開の曲。2人のボーカルとギターとのコントラストが彼らの妙技。本領発揮。
6.『ギターの犬』は、八熊の成長を伺わせる涙ものの1曲。完成度が高く、長めのイントロは聴き惚れる
全体的に味のあるアルバムに仕上がった。
1stの疾走感を期待して買ったので、少し期待はずれ。15年の月日は人を変える。それとも私が変わったのか。皆さんの耳で確かめよう。
1stを聴いてない人は衝撃をうけることだろう。もっとも、1stを聴かない手はない。再販されたそうなので、check it out!
マルホランド・ドライブ オリジナル・サウンドトラック
デビッド・リンチの映画大好き!の筈で、「イレイザーヘッド」「ブルーベルベット」「ツインピークス(TV)」etc.しっかり観てたのに、何故かこの「マルホランド・ドライブ」だけ今年になるまで知りませんでした。というより、リアルタイムの映画全体から離れていたからかもしれません。
ロードショーから既に8年も経っているのに、今でもDVDがすぐに手に入るのは有り難いのですが、CDが全くありません。今日何故か偶々不思議にも大型店の店頭にあって、思わず「あった!」と洩らしてしまいました。即買いです!DVDを観て、本当に欲しかったんですよねー。
勿論「ジョランドー」も素晴らしく心に響きますが、私がこのCDを一番欲しかった理由は「マルホランド・ドライブ」や「ダイアンとカミーラ」etc.アンジェロ・バダラメンティの繊細な曲たちです。これらを聴いていると、ダイアンのことを思い出して涙がこみ上げてきます。これこそサウンドトラック盤の醍醐味ではないでしょうか!!
「ダイアン、可哀そう!」
マルホランド・ドライブ ― オリジナル・サウンドトラック
このサウンドトラックを聞くと映画を改めて見たくなり、また映画を見ると改めてこのサウンドトラックを聞きたくなる。本当なんです。ロイ・オービスンのジョランドーは本来明るいバンドソング。それをアカペラにアレンジするとこれほど邪悪な感じになるのです。いやぁ、感服しました。11年ぶりくらいにサウンドトラックを購入しました。