アイデンティティー コレクターズ・エディション [DVD]
監督のジェームズ・マンゴールドは、本作のほか、『ニューヨークの恋人』『ウォーク・ザ・ライン』、『3時10分、決断のとき』などを演出した。中でも『17歳のカルテ』は出世作に当たるだろう。純然たるサスペンス(スリラー)は、『アイデンティティ』のみで、若いゆえに器用なのか作風も多様で、才能を感じる。本作には、ジョン・キューザック、レイ・リオッタ、レベッカ・デモーネイ、『17歳…』にも出演した(おそらく監督のお気に入り)クレア・デュヴァルなど味がある実力派の役者が揃って、恐怖感を一そう盛り上げている。
本作を、意外な拾い物という感じで受け取る人が多いようだが、それは公開時の宣伝などの扱いが小さかったという所から来ているのだと思う。本格サスペンスのようなどっしりとした趣こそないが、小手先の変化球というには面白すぎる息もつかせぬ展開と、登場人物が増えるごとにどんどん深まる謎と恐怖、そして人によって評価が異なる「あっという結末」まで、見ごたえ十分。B級映画の薄っぺらさとは無縁で、設定に沿ってよく練られた脚本といい、ネタに陥らない演出といい、地味ながら隠れた傑作と呼んで構わないだろう。他の作品でも見られる、得意の心理描写が、この映画に奥行きを与えることに成功している。
結末を知ってしまうと、この手の映画によくある超安易な「ゆ●オチ」「う●●う●●オチ」など、「騙し」のバリエーションの一つにすぎないじゃないかと酷評したくなるむきも、わからないではないが、それらよりはるかに巧妙で複雑。ミステリーがとても似合うキューザック、スリラーならこの人・リオッタほか役者陣の演技も上手いし、たたみ掛ける恐怖の演出も見事。ぜひ安心して「騙されて」いただきたい。
在日韓国・朝鮮人―若い世代のアイデンティティ (中公新書)
「在日」の若者の実像を、聞き取りという手法を使って描き出したもの。事実的な背景だけでなく、アイデンティティのあり方や葛藤などが、一人ひとりの語りにそって丁寧に記述されている。
結論の内容は特に目新しくない。みんな「同じ」という発想が制度的差別を隠蔽する、マジョリティは「在日」としての「ちがい」を認識せよ、というものだ。ただ、それが、個々の現在を見つめた上での結論だというところに意味がある。個人としての違いを論じた上でなお、筆者は、「在日」が集団として背負わされている問題への注視を促さねばならない。それほどに、いまだに「在日」ゆえの差別は続いているということだろう。
冒頭に、在日コリアンの歴史的経緯や、彼らを取り巻く問題の概要が記されており、入門書としても適している。
アイデンティティと暴力: 運命は幻想である
『アイデンティティと暴力―運命は幻想である』アマルティア・セン
ぶっちゃけ,めっちゃ感動してる。
中学生のころ初めて読んだ渡辺一夫以来,初めてこの人について行こうって思った。
アマルティア・セン,アジア初のノーベル経済学賞受賞者。
名前は知ってたけど,数字がいっぱい出てくる経済の本なんか理解できるとも思えなかったから敬遠してた。
センは経済学者にとどまらない著作を書いているということで読んでみたら,これがすばらしい。
センはアイデンティティが愛情や思いやり,人間としての誇りの源泉であり,人と人とをつなぐ大きな要素であることは当然認めているが,アイデンティティが生み出す不幸のことにも思索をめぐらす。
それまで,同じルワンダ人だったのがあるひツチ族とフツ族に分かれ虐殺しあったり,それまで同じユーゴスラヴィア人だったのがセルビア人やコソヴォ人に分かれエスニック・クレンジングが始まったりする。
センが指摘するのは,単一のアイデンティティ特に民族や宗教的なそれに依存することの危険性である。
人はさまざまなアイデンティティのもとに生きていて,さまざまなアイデンティのプライオリティを見極め,個々人で判断することが重要なわけだ。
「アメリカ人は」とか「中国人は」とかひとくくりで語ることはいかに危険なことか。
ヘイト・スピーチを繰り返すネトウヨ君たちに読んで欲しいと思う。切に思うよ。
勝訴ストリップ
無罪モラトリアムのときと比べると音の深みが増してます。
発売当時は、あまりよく思えなかった人も居ると思いますが。
今、今聞いてください。
発売から5年あなたの聴いていた勝訴ストリップは、すっかり名盤になっているはずです。
4曲目のギブスからの流れは最高です。
彼女の哲学的な歌詞や、彼女の頭ん中の音が再現されたアルバムといっても過言じゃないでしょう。
21世紀アーティストに置ける名盤として重宝しています。
偏見されがちな彼女ですが、是非聞いてみてください。
ちなみに一番好きな曲は「闇に降る雨」です。
クラシック的なメロディと歌詞に魅了されてしまいました。
ボーン・アルティメイタム 【VALUE PRICE 1800円】 [DVD]
カーアクション(カーチェイス?)。実際に自分がドライブしているような臨場感!
監督もそこんところかなり意識して製作しているとの事。(本編にも劣らないメイキング)。
衝突すると膨らむ風船を破りながらアクションしてたらもっと臨場感が溢れる映画に成ったでしょう。
身の回りの物を武器にするところは高感度です。
実際の格闘になれば、ボールペン、本、あとテレビのリモコンも必需品です。・・それと電気製品のコード。
マットデイモンは笑顔がチャーミングです。