バジリスク~甲賀忍法帖~ 音絵巻~第二章~
幕府の策謀の下、甲賀・伊賀の忍達が己の誇りを、存在意義をかけて殺し合う名作『バジリスク』。
50年以上も前に、アニメ向きのバトルロワイヤル的なストーリーを考案しているとは、
さすがは山田風太郎御大といったところだろうか。
ただ、タイトルは「甲賀」忍法帖なのに、本編を見てもドラマCDを聴いても、
伊賀鍔隠れ衆の方がキャラ的にもキャスト的にも存在感たっぷりな気がする。。。
ちょっと影が薄いぞ、がんばれ甲賀衆！
さて、このCDは『少年陰陽師』でおなじみの中川孝氏の劇伴と
伊賀鍔隠れ衆のドタバタを描いたドラマパートで構成されている。
重厚感と悲壮感に溢れた中川氏の音楽は、『バジリスク』の世界観と相まって
物語を更に盛り上げてくれた。
ドラマパートは、とにかく爆笑＆ニヤニヤが止まらない。
白無垢の盗人探しに躍起になって燃え上がる念鬼＆蝋斎の年長コンビ、
年長コンビの鬼気迫る執念に震え上がる夜叉丸＆小四郎の珍しい組み合わせ、
乙女な面と黒い面とのバランスが絶妙で相変わらず可愛い蛍火、
そんな蛍火の暴言にぷっつんしちゃう朱絹さん、
そして、いつも通り死んでる天膳様、とひたすら笑いとネタの宝庫である。
本編では既に御前試合での殺し合いから始まっていて、
卍谷衆や鍔隠れ衆の日常を垣間見る機会がなかったので、
このほのぼのとしたドラマは本当に貴重。
山田先生の個性的なキャラを活かしつつ、
現代風にアレンジして面白いものにしてくれたスタッフに感謝！
