手ぶくろを買いに (日本の童話名作選)
「ごんぎつね」のような胸をえぐられるような結末でないこの物語に、好評な黒井健さんのやわらかい絵が暖かく、大判ならではの絵の良さもある、価値ある一冊だと思います。
新美南吉の「ことば」の一つ一つが、絵によってより一層胸にしみこむようです。
「帽子屋さん、掴まえやしなかったもの。ちゃんとこんないい暖かい手袋くれたもの。」といって手袋のはまった両手をパンパンやって見せる子狐の無邪気な姿は、あきれてつぶやく母狐の言葉と、一緒に歩いている月夜の蒼白い雪の人間のいない狐の森の絵によって、より一層無邪気に愛らしく響き、なぜか涙を誘います。
ビッグ・ライヴ2008~ライヴ・イン・ウクライナ 【DVD+CD】
アマゾンであれば、DVD単品の値段で同内容の2CD付豪華版と遜色ない価格で購入できるので、お勧めです。
先日、ロジャースからの発表で、ジョイント活動が終わることとなったクイーン。私自身はもともとこのジョイントはクイーンそのものの再結成でも何でもなく、クイーンとは別物、あるいは企画モノ、くらいの位置付けで傍観していたというのが本音。ライブは勿論、先年出た「コスモス・ロッキン」も見事にロジャース色濃厚で、バドカンの新作をクイーンばりのアレンジと音色で塗りこめたようだった。
結局、ロジャースの方から縁を切られたかのような格好になったのは、クイーンのファンとして正直、忸怩たるモノがある。しかし、よく考えてみれば、どれだけ自分が頑張っても結局フレディの代用でしかない事に忸怩たる思いを持ってたのはロジャースの側かもしれない。つまりは、終わるべくして終わったということなんだろう。
フレディ生前のクイーンを知らない世代に、クイーンの疑似体験をさせたという意味では一定程度の評価を出来るが、やはり、このジョイントはクイーンそのものではなかったと思う。
さて、ロジャーとブライアンは一体今後、どうするつもりか? 個人的には、もうクイーンの名前で縮小再生産のような活動するよりも、フレディ時代のアーカイヴの発掘・発表とか、そういった作業に勤しんでもらいたい。
展覧会の絵、禿山の一夜
テオドレ・クチャル指揮ウクライナ国立交響楽団による演奏。
「展覧会の絵」は、数ある名盤とも比肩しうるしっかりした演奏だと思います。
オーケストラの響きも、華やかさはないものの、なんとなくロシア的な土臭さがあります。
この演奏内容で¥500は絶対にお買い得。
「禿山の一夜」はなんとムソルグスキーのオリジナル版を使用。
リムスキー=コルサコフが編曲した、一般的に演奏されている「禿山の一夜」とはまた違った世界があります。聴き比べると面白いですよ。お薦めです。
ちなみに、NAXOSから発売されているオリジナル版(8.555924)にはこれに加えて、リムスキー=コルサコフ編曲版の「禿山の一夜」と「ホヴァンシチナ」前奏曲、「ソロチンスキーの市」からのゴパークも収録されています。やはり面白い演奏なので、興味があればそちらのオリジナル版をお薦めします。