トイレット [DVD]
カナダロケした全編英語作品ですが、もたいまさこが、唯一の日本人キャストとして出演。もたいまさこ演じる「ばあちゃん」が英語の台詞を喋らず、全編ほとんど無言で通しているのが脚本上の工夫と言えば工夫。ほとんどしゃべらない「ばあちゃん」だけに、彼女が深いため息をつくシーンは台詞と同等の重みを持つわけだし、彼女が孫に向けてたった一言だけ台詞を発するシーンがとても印象に残ります。
家族なのに異文化を背景にもつ祖母と、それぞれ問題だらけの子供たちのとぼけた交流を、のんびりじっくりと描いてゆきます。タイトルであるトイレにまつわるストーリーも、家族の物語を盛り上げる役にはなっていません。「トイレ」がその異文化交流の難しさの象徴となっているのかな。
台詞を語らぬもたいまさこのおばあちゃんの、どこか和的な癒しの雰囲気が魅力の作品といったところ。そして見終わったとき「なんだか知らないけど、励まされた気分」になります。
荻上監督の作品らしく、登場する食べ物が魅力的です。今回は、ギョーザにしたところがなかなかの妙ですね。みんなで作って食べられるというのがいい。今回もフードスタイリストの飯島奈美が担当しています。
荻上監督作品の「かもめ食堂」と「めがね」が好きな人は、本作も気に入ると思います。でも「かもめ食堂」こそ面白いと思ったけれど、「めがね」はそれほど面白いと思えませんでした。本作は、「めがね」よりはイイけれど、「かもめ食堂」は超えられなかった映画だと思います。
映像をつなぐセンスはいいし、個性もあるし、映画作りのテクニックも感じられるのに、ちょっと技巧に走りすぎ、ナチュラル感がない印象を受けるからかな。
かもめ☆チャンス 1 (ビッグコミックス)
二十代後半に入り仕事は卒なくこなせる様になってきた、でもなんか守りに入っちゃう
退勤後のビールと週末のサイクリングが楽しみ
そんな人に勧めたい作品です。
結構スローペースで進むので物語の本筋からすると1~9巻までは主要キャラが集まる迄、といったところです。
しかしながら前作オメガドライブでもそうでしたが、登場人物それぞれにストーリーがあり細かい伏線も多数ある為、毎巻非常に面白いです。
主人公の更科だけでも、仕事、自転車、家族といくつもの物語が並行して織り成される為、他の自転車漫画と比べると複雑なところもありますが
実際の人生だって、「○○編」なんて分かれてない訳で等身大の主人公を描くのに相応しいスタイルだと思います。
別に小野田坂道や篠崎ミコト、日出島ヒイロ、丸子一典が悪い訳ではありませんが
数ある自転車漫画の中で、最も応援したい主人公を問われれば、僕は迷わずこの作品を押します。
普段漫画を読まない人でも、サクリファイスの様な選手個人のリアルな感情を描いた作品が好きな人や
オールドルーキーを見て、チャレンジャー(35歳)に憧れを抱いた人には絶対に読んで欲しいです。