魔法少女まどか☆マギカ 2 【完全生産限定版】 [DVD]
とっておきのスタッフを揃え、ハイクォリティーを準備して、そこから守りに入らず、攻める立場で挑んだ作品。この作品には、自由の黒い羽根が生えている為、全く先が読めません。型にはまらない勇気ある展開には、ただただ驚かされるばかり。困惑と共に、急に目が離せなくなった作品です。
魔法少女まどか☆マギカ 4(完全生産限定版) [Blu-ray]
重厚的な世界観と怒涛の展開で最後まで止まる気配のないジェットコースター魔法少女まどか☆マギカ号ですが、
この4巻目は異常な程にスピード感があるので初見の方は覚悟しておいてください。
視聴の際には心にしっかりと安全バーをかけて振り落とされないように注意してくださいね。
人によっては本当に必死な思いでしがみつく必要がありますよ?w
この巻にもなってくると物語も終盤に差し掛かるので、世界観やその設定も明確になっていき、それに伴い、
キャラクターは精神的にも肉体的にもかなり動きがついてきます。音楽や背景の演出もこれまでの巻に比べて
より不安や恐怖を煽るものになり、背景における色の情報量の多さには圧倒されることでしょう。
夜中に電気を付けず観るのは絶対にやめましょうwやってみたら分かります。めちゃくちゃ恐いですw
まぁ…一番恐ろしいといえば、キャラクターの描写力なんですけどね。
この作品は注目すべきは結局ここに戻っていきますね
この巻ではこれまでとは比にならないほどに人間の、特に思春期の複雑な心理状況を
現実的かつ暴力的な描写で容赦なく抉り出していきます。
思い込みが激しく、直情的な部分はあるけども、明るく元気で優しいあるひとりの中学生の女の子は
この巻で一気に絶望の淵へ突き落とされ、身も心もボロボロになって壊れてしまうのです。
どこで間違えてしまったのか?どうしてこんな事になったのだろう?と考えを巡らす毎日です。
アニメという仮想現実が今在る現実を飲み込みだした…そんな瞬間を体全体で感じ取ってしまいました。
自分としては、つい目を逸らしたくなるものでした。ただ単純に中学生の女の子が、
ひとりの人間が壊れるというところに現実を感じているわけではありません。
壊れる過程を追うことで、かつて自分が感じていた疑問とこれからも抱えるであろう
自己矛盾に向き合わざるを得ないのだと、改めて自分達が生きるこの現実の厳しさを突きつけられたからです。
彼女は理想と現実、利己的である自分と利他的である自分の狭間で悩み苦しみ、
とうとう袋小路に入り込んでしまい、答えを見出すことが出来ませんでした。
人間は利己的な自分を捨てられません。しかし、かとかいって利己的で在り続けることも
中々できないでしょう。そこにはまた利他的な自分も入ってきます。
人間においてあるべき葛藤の中で「正しい答え」とは「正しい自分」とはどうやって見出せばいいのでしょうか?
一筋縄ではいかない難しいものです
魔法少女まどか☆マギカ 2 【完全生産限定版】 [Blu-ray]
漫画・アニメには稀に「漫画アニメのお約束を現実に持ち込んだらどうなるか?」という題材が登場します。例えば、アメリカンコミックの「ウォッチメン」ロボットアニメの「機動戦士ガンダム」等です。本作は「魔法少女という子供向けジャンルを世知辛い現実風に表現したらどうなる?」という作品です。
本巻では「願いはすぐ叶うけれど代わりに死ぬまで魔法少女をやらされる」という過酷なルールが明らかになります。一人は直情的に、もう一人は選択肢が選べない状況で魔法少女になりました。片方は本巻で結末が、もう片方は次回以降に結末が描かれるでしょう。それも「代償もしらずに後悔した」という旨の独白があるので救いがない展開は避けられないでしょう。
この作品中では代償が大きすぎるからというのもありますが、自分は本巻中のキャラクターの「他人の願いを叶えるつもりなら自分はその人から何をされたいかを考えるべきだ」というセリフが印象に残りました。