ザ・テーマ~日本テレビドラマ主歌集70年代
1の「さよならをするために」から、15の「ロンリーマン」まで、ハズレなし!「僕にまかせてください」のような隠れた名曲が収められているのもうれしい。
個人的には「前略おふくろ様」のテーマソングが懐かしくて涙もの。70年代のテレビドラマの充実ぶりを示す音楽であり、なにより「前略おふくろ様」のようなドラマが現在見られないことが確認できて腹立たしい。
全体的には80年代以降には消えていった「大人な感じ」を堪能できる。特に「大都会」パート1のテーマソングにそれが如実にあらわれている。鈴木茂の「バンドワゴン」みたいにかっこいい。大野雄二による「大都会」パート2のテーマソングと、聞き比べると、山下毅雄の「ルパン3世」と大野雄二の「ルパン3世」のテーマソングの違いに対応しているのがわかる。1977年あたりで音楽の質感は明らかに変わった。
柳ジョージの「祭ばやしがきこえる」の渋さはまぎれもなく、70年代のものであるし、SHOGUNの粋な大人のセンスも、80年代には傍流に追いやられていた。「さよならをするために」「冬物語」といった曲は、70年代前半の歌謡曲のクオリティーの高さを証明している。
もう少し欲を言えば、「いろはのい」のテーマソングと「俺たちの朝」のテーマソング(松崎しげるが歌っていた)が収録されていれば、なおさら良し!であった。
拝啓、父上様
ドラマ「拝啓、父上様」のシナリオである。
ドラマをまったく見ていなかったが、「優しい時間」がよかったので、読んでみた。
ストーリーに引き込まれていった。感覚が少年のように純粋である。しかし展開がうまい。少し、話がうますぎる部分もあるが・・・
読み終わってから思った、最初からドラマを見ておけばよかった・・・と。
けれど今日の第8話から見ることにします、倉本氏の作り出すメルヘンの世界に参加しようと思ったから・・・
前略おふくろ様 Vol.1 [Blu-ray]
これは日本のTVドラマ史に燦然と輝く作品ですね!大傑作!!
出演陣は本作以外の仕事は一切ナシ!「これ一本に集中する」ことが倉本聡(脚本)からの条件だったそうです。
日本の文化的側面を知る上でも貴重な資料になっていく作品ですよね、これは。
いつまでも日本人が観られるように新たな記録媒体になっても必ず発売して欲しい作品です。
いわずもがな‘ショーケン(萩原健一)’でなければこの完成度は成し得ませんね。
初DVD化の際に倉本聡も言ってます 『ショーケンは天才』 です!
萩原健一の世界
「アフリカの光」のサントラは、おそらくここでしか聞けないレアな音源であろう。ストリングスとのアンサンブルで奏でる井上尭之スペシャルバンドの「酒と泪と男と女」は壮大なイメージを醸し出してくれる。バンド音源の陰の部分を聞く事ができる貴重なアルバムだ。
前略おふくろ様II DVD-BOX
このころのショーケンは輝いていました。「約束」や「青春の蹉跌」などの主演映画の成功に加えて、テレビドラマでは「太陽にほえろ!」「傷だらけの天使」など、それまでのドラマでは観られなったキャラクター作りで、当時、多くの若者の支持を得ていました。しかし、この「前略おふくろ様」では意外にも田舎出の純情青年役で、板前らしく頭を短くして、それまでのショーケンのイメージとはまったく異なる役作りが成功しています。ほかにも桃井かおり、川谷拓三などがこのドラマでブレイクしました。そして、かすみちゃん役の坂口良子も最高で、このドラマと映画「犬神家の一族」の旅館の女中さん役で彼女は70年代もっとも可愛い女優さんでした。
大好評の前作を受けて続編の登場だったわけですが、この続編では脚本を全て倉本聰が書いています。前作ではいくつかのエピソードが市川森一など別の脚本家によって書かれていましたが、作品としては悪くはなかったにも関わらず、物語が途切れてしまったり、独立したエピソードのような回があったりして、何かトーンが異なる感じがあったので、このパート2の方が流れがスムースでこちらも傑作です。
後に「北の国から」でも使われた主人公のナレーションによる進行、最終回に膨大な人数のスタッフ・キャストが全員50音順で出てくるエンド・ロール、など倉本ドラマの特徴の多くはこの作品で完成しています。逆にとんねるずを使った「火の用心」や最近の「拝啓、父上様」などの作品を見ると、倉本作品が、悪い意味でこの「前略おふくろ様」に縛られてしまっている感もありますが・・・。
おふくろ様が他界してしまう回では、おふくろ様を演じた田中絹代が放送日直前に亡くなるという信じられないエピソードがあったことも思い出します。