将の器・参謀の器―あなたはどちらの“才覚”を持っているか (青春文庫)
印象的だったのは、部下の動機づけに関するくだり。ポイントはふたつあり、
1一般社員にとって、仕事の動機付けには(1)目的(2)自分の寄与度(3)それに対する信賞必罰、が大事。管理職はそれに(4)トップの理念・社会への貢献が加わる。
2情報の分析・考察・判断・決断などの手助けをするのがリーダーの役割。未熟者は情報の提供だけではこうしたことができない。働き手が自分の気づかなかった潜在能力に気づかせるような火付け役になること。ひとりひとりへの自己開発の動機付け、である。
1については、組織統合のため組織目的(理念・戦略)を知らしめること、組織のインセンティブシステムを働かせることであり組織論では常識的、といっていいと思います。2は、普段の人間関係の中でも、面白い視点として生かすことができそう。こうしたことを歴史上の人物・エビソードを通してわかりやすく解説した書です。
また、「細かいデータを積み重ねることによって、日本をどうしようとか江戸をどうするかが決まってくる」(徳川吉宗)、「全藩士の注目を薩摩藩はどう生きるべきかというところに集中させれば、汚職などやっているヒマはなくなる」(島津斉彬)など、トップの視点・あり方の議論もそれなりに面白いと思います。
小説 上杉鷹山 全一冊 (集英社文庫)
上杉鷹山は己が率先して痛みを感じ、愛をもって大改革を行いました。まさに「成せばなる」です。ケネディ大統領が最も尊敬する日本人だけあって 現代の日本の政治家にも是非読んで欲しい書です。 最後まで泣かずに読み終わることは不可能です。 感動が人々の心を動かし大改革を成し遂げた実話ですから。