Mezzanine
イングランド西部に位置する港町ブリストルは、17~18世紀を中心にアフリカから奴隷が多く運ばれてきた歴史があり、結果人種が混在するハイブリッドなカルチャーを形成することとなりました。
その影響を受けたのは音楽も然りで、ロックやポップにダブやアフリカ音楽をミックスする音楽の融合が自然に行われることとなりました。
つまり以降のトリップ・ホップやドラムン・ベースが生まれる土壌が既に形成されていたわけです。
事実この街はTHE POP GROUPという、ポストパンクを代表するバンドを生んでいます。
そして以降の、ブリストル出身の代表格がポーティスヘッドやトリッキー、そして彼等ということになります。
マッシュルーム・3D・ダディGの三人で作られたこのサードアルバムは彼等に世界的名声を与えることとなった、万人必聴の名盤です。
ダブ・ニューウェイブ・ヒップホップの三位一体が織り成す世界観は、その重低音と神々しい美しさのコントラストから絶対的な孤高性を誇っています。
また、アルバム毎に女性ゲストヴォーカルを迎えることで有名な彼等ですが、このアルバムで起用されたのはコクトー・ツインズのエリザベス・フレイザー。
その透明感ある声が、このアルバムのドラマツルギーを一層高めています。
鬱屈としつつも美しい世界観に惹かれる方には何よりも聴いていただきたい作品です。
LIVE FOREVER [DVD]
ん~・・・「虚しいなぁ」という感じしか受けませんでした。
政治と結びつけてまで語るようなものではない気がしましたね。
ビートルズのアンソロジーや24アワーパーティピープルの様に
渾然一体となってる感じのムーブメントではなかったのだなと自分は
感じました。
他の方も書かれてますが、見終わった後はため息つきたくなります。
タイトルとは裏腹に、ある時代が死んでいく様を記録した映画。
それでも良い音楽はこれからも残っていきますが。
Barking [デラックス・エディション (CD+DVD) / ボーナストラック・日本語解説付き国内盤] (PCDT-21/22)
アンダーワールドの音楽が好きなのは勿論だが、ライブのVJやtomatoのアートワークも好きなので特にDVDを楽しみにしていた。アルバム発売にあわせて開催されたカール・ハイド展(会場音楽はリック・スミスが担当)で、アイデアが湧き出たインセプションの瞬間から徐々に形になって行く過程を窺い知れるようなノートの切れ端に描いた一連のペンシル画やライブペインティングの様子を見て、この人の頭の中はすごいことになっているんだなと思った。浮かんだアイデアを絵や音楽や言葉やインスタレーションなど姿かたちを変えてシームレスに体現するアーティスト。アンダーワールドの音楽も、ダンスが音楽になり、音楽がリリックになり、リリックが映像になり、映像がダンスになり・・・・とう有機的な無限のループの中に存在している感じがなんとも心地良い。
アンダーワールドの音と映像が織りなす世界が好きな者としては、bird1やAlways Loved A Filmでの生命を感じさせる自然の色や陽の光の使い方や、Hamburg Hotel やGraceの色味の変化や光が線や形と織りなすダンスにヤラれた。これらは音単体でもお気に入りのピース達。
そして音的にはドラムンベースが好きなのでHigh Contrastとコラボの”Scribble”が何よりも嬉しかった。アルバム発売に先駆けて5月にお披露目された曲だが、アンダーワールドがやるとこんなにも爽やかで叙情的なドラムンベースになるのかと新鮮でもあった。
Pink Friday
このNicki MinajはLil Wayneの一派として注目されてきた頃からのお気に入りでUserや
Ludacrisの客演でもカッコ良さにグッときましたが満を持してのファーストアルバムが
やっと到着しました(実はこれより前にL.A.に注文した彼女のミックスCDの数々が
軒並み品切れで1ヶ月近く待たされ結局本作が先に到着してしまうという皮肉)。
レギュラーアルバムの収録曲に関しては皆様のおっしゃる通りで予想以上にポップな
楽曲が並びます(それはそれで悪くはないのですがちょっと手堅く行き過ぎな感も)。
Eminemを迎えた(2)等では彼女らしい激しいフロウも堪能出来ますが(でもEminemの
前では大人しく感じたりして)、Rihanna参加の(5)もヤングマネー絡みのDrakeとの
(7)も更にはKanye Westとの(9)も非常にポップで聴き易くノーゲストの(4)や(12)
(シングル群)と同じくヒットポテンシャルが総じて高いです。
そして極め付けはwill.i.amとの(8)!あざとい(褒め言葉)というかwillらしいと
言うか私達オジサン世代にはたまらないあの80年代初頭のBugglesの大ヒット曲を
持ってくるとは・・(一時はBlack Eyed Peasの新作のリードシングルという冗談の
ような誤報も流れましたが)これにはしてやられました(ベタだけど好き)。
こんな感じで彼女の(正式な)ファーストアルバムとしては万全の手堅い出来なので
すが、若干の不満が無いわけではありません。
まずデビューシングルであるはずのSean Garrettとの[Massive Attack]が収録されて
いない点(これは大きい)!あの強烈なPVと同様なかなか個性的な曲だっただけに
チャートアクションがイマイチだったとは言えこれは入れて欲しかったところです。
また権利上難しいとは思いますが、かのMariah Careyとの[Up Out My Face(Remix)]も
収録してくれると最高だったんだけど(MariahのRemix盤が立ち消えになっただけに)。
でもその代わりと言ってはなんですがこのデラックス盤には5曲ものボートラが入って
います((17)Wave Ya Hand (18)Catch Meが入っていました)。
まず(14)はシングルにしてもいいような勢いのあるポップな好曲!(15)はミドルから
一転サイレン音と共に一気にテンポアップするGoodな曲(ちょっとMassive〜似?)。
(16)も同様のアップで(17)のイントロと合わせると同じ曲のように聞こえたりもします
・・多分意図的?(でもその分彼女の畳み掛けるようなフロウを堪能出来ます)。
最後の(18)では上記の(15)〜(17)と同じ路線ながらどことなく一時期のMadonnaを
思わせる展開に歌えるところも見せたりして頑張っています(この曲もなかなか)。
そんな感じでこの一連のボートラ群も結構リキが入っていて良い感じです。
正直Lil Kimにディスられながらも明らかにピークに来ていると感じられる彼女ですが
願わくばセカンドも無事発売されて少しでも息の長いアーティストになりますように
想いを込めて星5つ!(日本盤は来年2月だそうですが、遅れた分件のMassive〜や
Up Out〜を入れて下さい。だったらまた買いますからメーカーさんお願いします!)