定刻発車―日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか? (新潮文庫)
文庫版は尼崎の事故の翌日に発売というドンピシャリのタイミングだった。もちろん私もあの事故があったから購入したわけで、途中までは「結局は日本の鉄道万歳の礼賛本ぢゃねえか。著者はあの事故でさぞ居心地悪かろうな」と思って読んでいた。
しかし、違っているのだ。ラスト11章12章の切れ味を見よ!日本社会の現状と将来の問題点を鉄道というシステムから鮮やかに切った美しさには膝を何回も叩いてしまった。
この2章の鮮やかさだけでも十分に価値がある。そしてあの痛ましい事故があったいま、前半もとてもエキサイティングだ。読むべし!
中国共産党 支配者たちの秘密の世界
中国関連のニュースは毎日のように報道されているのに、それだけでは「中国の実態はわからない」
ということがよくわかりました。
目覚しい経済発展の様子を「中国も少し資本主義化してきた?!」などと思っていたのは大きな間違いでした。
中国企業の躍進も、摩天楼輝く上海も、反日デモへの対応やノーベル平和賞受賞者に対する扱いも、
すべてが共産主義国家中国を守るための共産党指導部の戦略だったなんて……。
中国とは一筋縄ではいかない国だということを痛感させてくれる本です。
パニック・エレベーター [DVD]
サイコキラーと壊れたエレベーターの中で閉じ込められてしまうというお話。
筋書きや人物描写は浅くて不満な部分も多いですが、サイコキラーの描写はなかなかにエグくて良かったです。
もっと常人では理解し得ないサイコキラーなりの衝動や理由付けを盛り込んでくれると良かったです。
サイコキラーの気持ち悪さが好きな人は結構楽しめるのではないでしょうか。