新編 エンタテインメントの罠―アメリカ映画・音楽・演劇ビジネスと契約マニュアル
エンタメビジネスの仕組みの教科書的な説明を中心に、実際に起こった、もしくは起こりうるトラブルの例が言及されています。マニュアルなどと言っても、こんな本でエンタメの法務処理や契約作成ができるわけがありません。まあ、契約構造をけっこう細かく教えてくれる、という意味では、おもしろく読める教科書です。
しかし、それにしても、小見出しが明朝の等サイズの半端な別フォント(信じられない!)、本文のテクニカルタームの初出にゴシックの強調がごくまばらに使われており、図表も行間や文字サイズがバラバラ。いまどきにしては、あまりの字組のヘタさかげんに驚かされます。タイトルもあざといし。とにかく本としての編集センスが悪いです。
シューマン:歌曲集~くるみの木
リート専門歌手とは異なった朗々とした声だが、表現の細やかさも抜かりない。シューマンの歌曲というのは、シューベルトに比べると、どことなく掴みどころがないような印象を受けるが、ターフェルはその美声と明朗な解釈で、聴き手をしっかりと導いてくれる。深い演奏ではあるが、思わせぶりな暗さや深刻さはなく、虚飾を取り払いつつも歌心に満ちた素晴らしい演奏だ。