人事屋が書いた経理の本―MGから生まれた戦略会計マニュアル
ソニーの「マネージメント・ゲーム」を行ったときの
副読本的な解説書。
これだけで、管理会計や戦略的な会計が
分かる訳ではありません。
私は決算書等ある程度は読めますが、
本書の手法はスタンダードではなく、
特殊な考え方の解説ですので、
まずは基本的な会計の考え方を
他書で学ばれてから読むべきだと思います。
稲盛和夫の実学―経営と会計
経営者の側から見た基礎会計の本。
しかしながら不正はしない、させないようにチェックする等
本当の基本の部分に実に忠実で好感のもてる本。
また目標設定の仕方、税法に基づかない償却等参考となること多し。
決算書の暗号を解け! ダメ株を見破る投資のルール
財務諸表の読み方を初心者向けに解説した本はたくさんあるが、本書の
テーマはそこにはない。単に会社が儲かっているか、儲かっていないかと
いうことを読み取るだけでなく、「利益の質」を見極めるという専門的な
内容を専門家ではない読者を対象に解説したものになっている。
すなわち、財務諸表上の利益が、健全なビジネスサイクルの中で生み出
されたものなのか、それとも実体を伴わない数字の操作によって出てきた
ものなのかを読み取る方法を非常に直感的に説明している。
簿記3級程度の知識も前提としていないとはいえ、それくらいの知識が
ないと、ここに書かれている内容を直感的に理解することはできないので
はないかと思った。
財務分析の専門知識がないので、ここにかかれている内容が一般的に適
用できるものなのか、あるいはひとつの見方に過ぎないのかといったこと
は判断でない。
だけど、いずれにしても、これまでこういった利益の質を解説した本と
いうのは非常に専門的な分野で難解、とっつきにくいため敬遠していたが、
本書はとてもおもしろくて引き込まれ一気に読んでしまったし、その結果
より強い関心を持つことができるようになった。
また、商品として本書を見た場合、企業の利益の中身を分析する手法の
解説を(一見)通勤途中の読書の対象にしてしまったという点で、かなり
イノベイティブなことだろうと思った。財務会計の仕事に直接携わってい
ないビジネスマン、あるいは株式投資をしている人々に対しても、こうい
ったレベルの会計の知識を大衆化させるきっかけになる本ではないか。
いずれにせよ、「ビジネスはその結果が財務諸表に集約するのだ」とい
う意味が前より少し理解できたという点で価値があった。