パルプ・フィクション ― オリジナル・サウンドトラック
ユマジェッツと言うバンドまで生んでしまったユマサーマン、トラボルタたちの映画サントラ。映画を効果的に盛り上げるサーフミュージック、オールディーズが多数。けだるいけど笑っちゃうという微妙なムードをセレクト。絶妙な選曲センスに脱帽。10点中10点
やっぱクール&ザギャングのとぼけた脳天気ファンすかね。
ガール6【字幕版】 [VHS]
音楽・プリンス、監督・スパイク・リー、出演にマドンナ、タランティーノ、ナオミ・キャンベル…とあったので観ました。マドンナは、はまり役。タラちゃんは、ほぼ素のままです。
セックス産業の内側はなかなか面白く、「ビジネスのツボは共通」と感心。都会に生き、夢のために働く女性の心理にも共感。友達や元夫や仕事仲間がいても、やっぱり孤独なんですね。時には奈落に落ちるが如く、自分を見失いそうになる。だから、一対一でつながる電話にのめり込むのかも。楽ではない人生ですが、彼女はタフに成長します。
最も印象的なのは、主人公がコニーアイランドで待ちぼうけを食うシーンでした。
J.J.ベネックス作品を思い出す、夢のように美しい映像。それを盛り上げる「How come U don't call me anymore」も秀逸。曲中心に、3分半くらいのシーンが展開します。'82年頃の隠れた名曲ですが、映像とぴったりでした。イメージの相乗効果で、主人公の孤独や健気さがひしひしと伝わってきます。味わいのある映画でした。
『イングロリアス・バスターズ』映画大作戦! (洋泉社MOOK 別冊映画秘宝)
映画『イングロリアス・バスターズ』を徹底的に味わい尽くそうというムック本。
古今東西の映画を見倒してきた監督タランティーノならではの映画の、その全編に象嵌された映画情報の断片をひとつひとつ解析していくというのがこの本の眼目です。
開巻一番、ファビュラス・バーカー・ボーイズ(『ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判』)のウェイン町山とガース柳下を中心とした映画通ライター陣が隅から隅までこの映画を自由気ままに語りあいます。
そもそも元ネタになったイタリア映画のことから、映像モンタージュのひとつひとつがどの映画に捧げたオマージュなのか、出演俳優たちのマニアックな位置づけまで、ライター陣の口からあふれ出るあまりの情報量に、読んでいて溺れてしまいそうです。
上述の円卓討論に続いて、タランティーノ監督や主要キャストたちへの個別単独インタビュー、映画の舞台となったフランスや製作国アメリカでの反響など、これまた映画を多角的に楽しめる記事がてんこ盛りです。
さらに後半になると記事は『イングロリアス・バスターズ』という一個の映画を離れていくかに見えます。
そこで取り上げられるのは、時代考証など二の次のイタリア製戦争映画、戦時下のドイツ火器に関する蘊蓄、ドイツ第三帝国映画史の解説、ナチスに関するエクスプロイテーション映画ともいえるジャンル(ナチスゾンビ映画、ナチス残酷映画、ナチス退廃映画)などなど…。
しかしそれは決してタランティーノ映画に関係ない情報を付加して頁数を稼ぐ水増し作業ではありません。それぞれはこの映画が内に抱える様々な映画要素を腑分けしてみせる努力と捉えるべきでしょう。
とにもかくにもひとつの映画を巡って濃密な情報が連続する、たじろいでしまうほど奥深い一冊でした。
ユングのサウンドトラック 菊地成孔の映画と映画音楽の本
菊地成孔さんは菊地成孔とぺぺ・トルメント・アスカラール、Date Course Pentagon Royal Garden等幅広い音楽活動をしている方で、本を読む前に…この菊地成孔という人がどんな人なのか?どんな音楽をやってるのか?人に聞くなり、自分で調べるなり、CDを聴くなりしてから!!この本を読むとより一層面白く、知識を与えてくれる気がする。