黒い家 [VHS]
この映画の見所は何と言っても、大竹しのぶの演技力である。
一見普通の主婦に見える彼女だが、自分の思い通りにならない時は、
常識では考えられない行動をとるのである。
最初のシーンから衝撃的で、終わりまでどことなく重苦しく、暗い
ムードが続く。大ヒットの原作なので、見る価値ありだが、原作を読んだ人
にはいささか物足りないかもしれない。
青の炎 二宮和也コレクターズエディション [DVD]
見る前に引っかかっていたいろんなことは、
見終わった後には跡形もなく消え去っていて、
ただ、秀一に対する、切なく、悲しく、いとおしい気持ちだけが残りました。
人生には思い通りにならないことはたくさんあり、
そういう時の選択肢はさまざまあるであろうに、
秀一の人生はなぜ、こんな結果にしかならなかったのか。
家族も友人も周囲には味方がたくさんいたのに、
どうして彼一人こんな重責を背負うことになってしまったのか。
若かったからこその行動と言われるであろうけれど、
17歳という年齢のもつべき以上の責務を果たそうとした、秀一。
その責任感と正義感は賞賛に値するものであろうが、
その犯してしまった罪は、自分でも許しがたいものであったと思われ、
彼のとった最後の選択は、彼の家族に対する愛そのものでした。
青の炎 特別版 [DVD]
バラエティーなどで二宮くんを見ていて「この人はものすごい演技が上手いのでは」と感じることが多々あり、その後、情熱大陸での天才っぷりと人間性に感動し、この青の炎を見ました。
彼は、ト―クをしていて登場人物のセリフの時、まるで人物その物になっていて、幾度もゾクっとすることがありました。
情景をありありと浮かべているというより、もはや、話す内容がそこに存在しているんだろうと、とても自然に思ってしまうのです。想像力が非常に豊かで、いつも何かを持っていました。
青の炎は、蜷川監督の演出が素晴らしく、彼の語るように二宮くんの演技が、言葉で表せないほどに、本当ただ素晴らしかった。
原作では、頭のいい学生が大人に負けただけのようで、あまり孤独な殺人者の悲しみが読み取れなかったのですが、映画は“かつてこんなにも切ない殺人者がいただろうか”というキャッチフレーズがぴったりでした。
硫黄島からの手紙のオ―ディションで、イ―ストウッド監督が二宮くんを抜擢したきっかけが、青の炎だと言っていました。
ちなみに、二宮くんはフォトグラフィックメモリーと言って、写真のように視覚から短時間で物事を覚える記憶力の持ち主だそうで、ダンスの覚えも早いようです。
それもこれも、青の炎で二宮くんに感激し、調べまくった結果です。二宮和也の衝撃の初主演映画でした。これで当時19とは自分がいやになります。
天使の囀り (角川ホラー文庫)
不治の病、拒食症、人間不信…誰もが抱えているストレス、悩み、コンプレックス。そんな苦しみから我々の心を救う奴らは天使なのか、それとも悪魔なのか。 ホスピス医の早苗は、謎の死を遂げた恋人を調べていくうちに、背筋も凍る恐怖に直面していく。
最初、非現実的なホラー話かなと思い読み始めたが、読んでいくうちにこの話は決して、SFでもなく、もちろんお化け話でもない、現代社会への超リアルな警告なのだと気づかされていった。 「青の炎」以来、貴志祐介のファンになった私。はっきり言って、これはメチャメチャおすすめ!!