ノラや (中公文庫)
その設定だけで泣けますが、それを見事な文学に昇華させました。
しかも、いつものちょっとひねくれたかんじもなく、素直に、ご自分がうろたえるさまを表しています。
それがまた、涙を誘います。
まあだだよ デジタル・リマスター版 [DVD]
明治から昭和を生きた夏目漱石門下の小説家・内田百間。
この映画は、その内田百間と彼を取り巻く教え子との交流を
教え子の年1回の会合「摩阿陀会」を中心に描いたヒューマンドラマです。
随所にみられる内田の素朴で正直な人柄。それに惹かれて集まる教え子達。
内田を松村達雄、妻を香川京子、彼の教え子を所ジョージや寺尾聡、
井川比佐志らが淡々と、かつしっかりと演じています。
彼らの熱演により、毒のあるやりとりにも、ほのぼのさが現れています。
そして最も印象に残る「オイッチニ!オイッチニ!」の場面。
ばかばかしいですが、大の大人がこれほどばかになれる会の存在に憧れます。
黒澤監督の作品には、大きく分けて戦争ものとヒューマンドラマの2つがあると
思いますが、ヒューマンドラマの中では個人的におすすめの作品です。
第一阿房列車 (新潮文庫)
きちんと背広を着て、帽子をかぶって、ステッキ片手に列車の旅。道連れはヒマラヤ山系氏。
ただ乗っているのがよく、しかも往復のうち往路だけがいいという百先生です。観光めぐりなどははなから眼中にありません。
おまけに往路は一等車で復路は三等車。借金してでも一等車だそうです。そこがまた百先生らしいのです。
この超ウルトラわがまま列車の旅の随筆のなかに、それらの理由が書いてありますから読んでのお楽しみです。
文章がうまく、また読みやすいので、たちまち引き込まれます。
御馳走帖 (中公文庫)
内田百聞氏の随筆に触れたのは最近だが、その軽妙洒脱で、戦前の良き昭和の香り高い小品にすっかり魅了されてしまった。阿呆列車シリーズが有名であるが、この本もなかなか。 朝はミルクとビスケット、昼はもりそば、夜は山海の珍味と酒をたらふくやりたいという異色の内容だが、食物自体についての記載は驚くほど少ない半面、抱腹絶倒の交流録や食膳の楽しみが生き生きと描かれている。 特に圧巻は、食堂車の情景。それに比べると今の汽車や飛行機はタダ、A地点からB地点に移る移動手段で、楽しみが少ないと痛感。 ああ百聞先生のようにながれゆく風景を肴に旨いビールと少々のつまみを食堂車でやってみたい。料理を食い散らかすような内容をお望みなら見事に裏切り、心の豊かさを知らしめてくれる本で、評者は心から堪能しました。
鈴木清順監督 浪漫三部作 ブルーレイBOX(Blu-ray Disc)
ありがとうございます。
ながらく廃盤状態にあった名作たち、優作ファンとしては必須アイテムなのに不覚にも買い逃し、そのうち再発されると信じていましたが意外にもブルーレイ化!実にうれしい再発です。
おそらく単品も出そうですがココはいっちょBOX買いします。
ついでに「悲愁物語」のリリースもお願いします。