ワン・フロム・ザ・ハート(エクスパンディッド・ヴァージョン)
本来サントラなのですが、LPで出た当初からボーカルアルバムとして聞き続けています。トム・ウエイツの太い声とクリスタル・ゲイルの暖かな艶のある声が、ジャズっぽいバラード曲群にとっても合っています。この2人のボーカルと小編成のバンド、ときおり入るオーケストラやサントラらしい効果音が相まって、別れたばかりの男女が夕暮れの街中の雑踏や夜更けの街を、それぞれ一人歩きながらしみじみと心に思いをつづる様子がうかびあがります。男女の別離が映画の主題ですが、全体に暖かな雰囲気が流れているのは、こと音楽に関しては、クリスタル・ゲイルのもつ暖かさによる部分が大きいように思います。この復刻CDにライナーノートを寄せているコッポラ監督によると、音楽が映画よりも先に独自に制作が開始されたとのことです。映像に頼らずとも、ほの暗い街とネオンの風景に思いを浮かび上がらせる、聴けるアルバムです。
ミッシング・ユー (CCCD)
CDの帯に書いてある通り、悲しくも美しいラヴ・ バラード・コンピ。
選曲の年代の幅が広く、 一度は聴いた事のある曲がたくさん入ってます。
甘い恋の歌だと思っていた曲が、意外に、せつないラヴソングだったりして、
歌詞カードを読みながら聴くと、なお良いです。
ワインライト
学生時代、繰り返し 繰り返し聞いた。 軽く1000回は越しているだろう。 ジャズバンドをやっている友人は「グローバー ワシントン Jr.は2流どころだったんだけど」と言っていたが、気にも留めなかった。 人は一生に一度、奇跡のような仕事を成し遂げるのかもしれない。 確かに彼のサックスは、時に荒さを感じさせることもある。 ミスタンギングをする箇所も覚えている。 それでもそれらは、この煌きを露ほども曇らせるものではない。 グローバーの、そして私にとっての、一生の一枚。