さすらいのカウボーイ ディレクターズカット版 [DVD]
1971年 アメリカ 原題「The Hired Hand」ピーター・フォンダ監督
本編約91分+映像特典約44分/カラー/ビスタ(スクイーズ)/片面2層/ドルビーデジタルSTEREO/ドルビーデジタル5.0ch
映像特典:★ピーター・フォンダ音声解説 ★ピーター・フォンダ&ブルース・ラングホーン インタビュー ★日本版劇場予告編(ディレクターズカット版) ★キャスト・スタッフ解説 ★プロダクションノート ★スチールギャラリー×27枚
「まるで絵画のようなウェスタン」と評される本作は、アメリカン・ニューシネマの伝説である。
男と女、男と男のそれぞれの距離感の描写が素晴らしい。
男は女からの束縛を求めるものなのか…、それとも「自由」という観念に束縛されるのか…
一風変わった傑作ウエスタン。未見の方は是非!
荒野のストレンジャー
クリント・イーストウッドが監督した始めての西部劇だが、スリラー映画でデビューした監督らしく、見かけはお得意の流れ者西部劇に見えるが、独特の陰鬱さを伴うミステリー調の「変り種」西部劇になった。主人公の流れ者は、恨みを晴らすために街にやってくる無法者を迎え撃つ手助けをするように見せかけて、街を自滅に追い込んでいく。監督本人の弁によれば「兄弟のつもりだった」とにべもない回答なのだが、風呂で撃たれても無事だったり、瞬間移動したり、常人離れしたところがあり「この世の者ではない」という解釈が正しいと思うのだが。イーストウッドでなければこれは作らないだろうという「らしさ」があふれた個性的な映画だが、それにしてもヘンテコなウエスタンだ。
荒野のストレンジャー (ユニバーサル・セレクション第4弾) 【初回生産限定】 [DVD]
Eastwoodが「ダーティハリー」前後に撮った傑作西部劇3部作の完結編?だが、自らが監督しただけに、かなり異色の作品となっている。
まず、舞台が湖の畔にある風光明媚な街なんて実に洒落ている。
最近嵌って観まくっている、曇った空と砂埃ばかりのマカロニウェスタンとは違い、一面の眩しいくらいの青空と湖の澄んだ青色がScreenに映え、『西部劇ってやっぱりこうでなくては』としみじみと思ってしまう。
Storyはやや複雑。
Eastwood演じるのはStranger、つまり名無しの権兵衛。邦題は正にピッタリ。
映画終盤になると本当は誰なのかが徐々にわかってくるのだが、それも多分そうなんだろうという程度で物語は終わっちまう。
このStrangerがフラッとやって来た街で、街の雇われ用心棒を一瞬にしてやっつけてしまい、代わりの用心棒として街に居座る事に。
街の住人は刑務所を出所したならず者がもう直ぐ街に舞い戻ってくるのを知っているので、Eastwoodに媚びる媚びる。
Eastwoodも調子に乗ってやりたい放題だから、街の連中は辛抱堪らずEastwoodを闇討ちにしようとするが、勿論返り討ち。
この辺りは腑抜けのくせに浅ましい街の連中の方が、ならず者よりもよっぽどあくどく描かれている。
で、結局Lastでは街の連中は何の役にも立たず、Eastwoodがならず者を皆殺しにして、街を去っていくのだが、「ロング・ライダーズ」のように街の住人が一丸となって悪い奴を追い払うのとはえらい違いだ。
脇の役者では途中から市長兼保安官に就任?するビリー・カーティスが良い味だしているのと、「ダーティハリー2」ではハリーの親友、白バイ警官チャーリー・マッコイ役だったが、今作では街の実力者役(逃げ出そうとするところをならず者に撃ち殺される情けない役)のミッチ・ライアンが印象に残った。
それとジェフリー・ルイスのならず者はMiss Castでしょう。
人の良さそうな顔立ちのジェフリーはどう見たって、ならず者じゃあないよ。