Faith
エリックアレキサンダーのレギュラーバンドに近い面子をバックに・・・というより、彼らをしっかりと組み合って丁々発止の歌唱で突き抜けているのが爽快。
よくありがちな「金を出して有名どころをバックに録音してみました」という類の作品ではない。しっかりバンドのよいところ、自分の聞かせどころを主張している作品。全曲ジャズチューンで埋め尽くさないという企画もすばらしい。
Sing Once More~Dear Carpenters~
いつものようにCDショップで何を買おうかと物色していた時、突然カーペンターズを歌う女性ヴォーカルが店内に流れてきました。それが物凄く上手く、そちらに関心がいき、聴き惚れたので思わず衝動買いをしたのが本アルバムです。
日本人かもしれないがそれにしては発音も雰囲気もよく、歌っているのが日本人かどうかはジャケットを確かめるまで分かりませんでした。この出会いは結構衝撃的でしたね。
平賀マリカというヴォーカリストを恥ずかしくも知らなかったのですが、「スイングジャーナル・ジャズ・ディスク大賞<ヴォーカル賞>」2年連続受賞ですか。すでに定評があったのですね。とても気に入りました。
収録された12曲はいずれもカレン・カーペンターの声のイメージが焼き付いている名曲ばかりで、それを凌駕することは難しいのですが、笹路正徳のアレンジは曲ごとに変化を付けて凝っていますし、ジャズ・ヴォーカルという全く違うアプローチですから、見事な歌い回しを披露している平賀マリカの巧さをじっくりと観賞できます。
個人的には一連のバラード群により親近性を感じました。彼女の伸びやかな声の魅力があふれている「ふたりの誓い」「青春の輝き」「遥かなる影」「愛のプレリュード」「イエスタデイ・ワンス・モア」「スーパースター」「雨の日と月曜日は」などは王道のカーペンターズですし、真正面から平賀マリカが取り組んでいるのが良く分かります。包み込むような温かい声ですし、艶もあり、何しろ技術的な問題がない見事な歌いっぷりです。
良いアルバムを知りましたし、素敵なジャズ・ヴォーカリストと出会えたわけで、収穫の多い遭遇でした。
Batucada~Jazz’n Bossa~
ギル・ゴールドスタイン(アコーデオン)、フィル・ウッズ(アルト・サックス)、ケニー・ギャレット(ソプラノ・サックス)、ランディー・ブレッカー(トランペット)にジェイミー・ハッダード(環境音楽?のポール・ウインターの共演で有名。ジュリアード音楽学院の先生でもあるパーカショニスト)とバック陣も豪華。ゲストで歌うのはマイケル・フランクス、マルコス・ヴァーリとこれまた豪華絢爛。いわば、金にあかせて作った一枚。しかし、歌唱力と美貌と、天は二物をあたえた平賀マリカには許される。(美貌と歌唱力という点ではヘレン・メリルみたいですね)で、ちょっと売れ線ねらいのボサノヴァだが、快適である。爽やかである。言うことはない。冷えた白ワインか、スパークリングワイン片手に聴けば、気分はイパネマ海岸にひとっ飛び(松本敏之)