劇画・長谷川 伸シリーズ 沓掛時次郎 (イブニングKC)
前作と同時に購入したのですが、こちらも面白い!
買って損はしないです。前作のキャラで名前だけ出てくる人がいますので、
前作を読んでいるとちょっぴり得した気分になれます。
ストーリーとしては、前作よりもさらに渋く、深いです。
特に、時次郎がおはぎを食べるシーンと、最後の戦いに行く前に、
おきぬが時次郎に言うセリフのシーンは感動もので、読み終わった後、
またそこに戻って読み直す、というのを繰り返してしまいました。
次の作品が楽しみです。
R40’S 本命TV時代劇テーマ曲集
時代劇ソングCDは他にも色々発売されているのでしょうけど、私にはこれで大体満足でした。
個人的且つ極端な話、3番目の桃太郎侍と5〜7番目(江戸の黒豹、大江戸捜査網テーマ曲、ねがい)、15番目のててご橋が入ってただけでこれを買ってよかったと思っています。
ただ、銭形平次が北大路欣也さんだったのが残念。
歌はお上手だし、曲のアレンジもよかったんですけど、やっぱり正調というか、舟木一夫さんのが聴きたかったですね。
瞼の母 [DVD]
何度も映画化及び舞台化されている、長谷川伸原作による股旅ものの名作で、本作は加藤泰監督と萬屋錦之介コンビによる、昭和37年の傑作。今はやくざに身を持ち崩している忠太郎だが、幼い時に別れたままで、まだ見ぬ母への思慕は誰よりも強い。そこで彼は江戸へ母を探しに行くことにする。そして苦難の末についに母と思しきひとに巡り合うのだが・・・・。
番場の忠太郎を演ずる錦之介さんが実によい。このときまだ30歳になるかならないかのはずだが、この堂々たる押し出しと切れ味はさすがです。松方弘樹さんなんかこの時点ではまだまだ足元にも及ばない。そして松方さんの母親を演ずる夏川静江、盲目の三味線弾きの浪花千栄子、夜鷹の沢村貞子、そしてついに巡り合う実の母の木暮実千代など、熟年女優達がみんな良い!
加藤泰のキャメラの長廻しを交えた粘り強い演出も特筆ものだ。とくに浪花と錦之介のシーンは5分半(!!)、沢村に居酒屋で酒を飲ませるシーンは3分半、そして最大の見せ場でもある、ラストの木暮を訪ねるシーンも最初から3分半、それぞれワンカットで撮っている。これらのワンカットのシーンはすべて見応え十分の名シーンである。木暮は最初は疑いつつも、会話を重ねるにつれて錦之介が実の息子と確信する。しかし婚礼を控えた娘の手前、悩みながらも錦之介を追い出す。そのあと娘に錦之介を連れ戻せと懇願されると、キャメラが木暮の周りをゆっくりと一周回って、心の揺れを表現するがこの演出もさりげなく凄い。恐るべし、加藤泰。原健策や山形勲も好演。つまりは加藤監督は役者さんに見せ場を作るのが、とっても上手いということですね。
関の彌太ッぺ [DVD]
わが家では、ちょっと落ち込んだ時には「元気を出すん
だ」、友人が少ないとこぼすと「淋しく生まれついちまっ
て」と、本作冒頭の科白が飛び交います。
脚本は成沢昌成とありますが、当時助監督だった鈴木
則文、中島貞夫、牧口雄二が徹底的に書き直してしまっ
たといいます。鈴木則文は以前、少年時代に海岸で遊ん
でいたときに不発弾が爆発し友人を一瞬にして失ったこ
とを、また中島貞夫は本土決戦に備え竹槍訓練に励んだ
ことを記していました。本作でみられる、生きるということ
への慈しみにはそういう彼らの体験が、少なからず映され
ていると思います。
これは牧口雄二が語っていたことですが、本作のシナ
リオが配布されたとき、スタッフ一同が「これはいい映画
ができる」と直感したといいます。ラストで主人公が、あた
かもこの世に別れを告げるかのように菅笠を放り投げます
が、これは主演の中村(萬屋)錦之助自身のアイデアだっ
たとも聞きました。本作が多くの人の心を動かす名作とな
ったのは、映画づくりにかける撮影所の人々の様々な思
いが、股旅映画という伝統的な漂泊のアウトローの物語
に、グッとまとまった結果なのだと思います。
わたしの不動のベストワン映画です。
劇画・長谷川 伸シリーズ 関の弥太ッぺ (イブニングKC)
過去の小林氏の作品を知らなくても十分に面白いが、知っていればさらに楽しめます。主人公を演じるのは柔道部物語の三五十五。一巻完結で読書後の後味がさわやかな作品。背景、細部までの書き込みも丁寧で美しい。小林氏独特の笑いもあちらこちらにあります。万人に受けるかは解らないが、娯楽はこうあるべきだなっと納得してしまった。人情あり、男気あり、チャンバラあり、笑いあり、涙あり・・・・これって昔のテレビドラマの時代劇そのものを漫画にしてしまった。台詞もカッコイイよ。