残りの雪 (新潮文庫)
この作品の文学的印象は別の方がいろいろ書いておられるので、
女性の生き方という視点からちょっと拙い感想を・・
これはいまから35年ほど前の小説、全共闘時代のころの話で、東大紛争などが小説にも出てきますが、
そのころの女性の生き方や価値観がレトロっぽく面白いです。
「嫁ぐ」「嫁にやる」「父の許しをえて、二年間だけ働いた」・・
もういまでは耳にすることもほとんどなくなった死語や、生活スタイルの羅列に時の流れと女性のステイタスの変化を痛感します。
また既婚男性が当然のように愛人を囲っていたり、それがみな老年男性が中年女性を、中年男性が若い女性を、
といつも極端に女性のほうが若く、また、この作品でヒロインの女性が相手の男性につげず、ひっそりと、彼に迷惑をかけるからと「堕胎」したり、
恋愛といえども、端々に男性中心の都合主義が見え隠れして、そういう時代もあったのだなあ、と感慨にふけっています。
またもう一つ言いたいのは、立原氏の小説のヒロインはいつもそうなのですが、あれは男性の視点から見た女性の情欲のとらえ方だと思うのです。
悪いですが、あんなに女性はセックスが好きではありません。あしからず・・
美食の道 (グルメ文庫)
筆者の食への思い入れが
ひとつひとつの食材を通して
ひしひしと伝わってくる作品だと思います
季節によって
旬のものがいろいろあって
それを楽しむということを
今の日本人は
少しずつ忘れていっているのを
思い出すのにも
最適なものだとも思いました
あわてずにす
ゆっくりと読むと
良いでしょう