毎日かあさん(Blu-ray Disc)
毎日新聞に連載され、TVアニメも好評放送中の西原理恵子(さいばらりえこ)の人気コミックを、小泉今日子と永瀬正敏の実生活でも元夫婦共演で映画化したもの。西原自身の実体験に基づき、女性漫画家と夫でアルコール依存症の元戦場カメラマン、やんちゃ盛りの6才の息子と4才の娘のリアルなドタバタの日常が、鋭い毒気を交えて描かれていました。キレイごとではない家族の絆が胸に沁みる異色のホームドラマでした。
小泉自身、漫画家役は『グーグーだって猫である』で大島弓子を演じたのに続いて2度目で、すっかり板についており、今度はさらに手がかかる子どもの母親の役目とどうしようもない夫に対する妻の役目を、見事に演じていました。
メインはドタバタのドメスティック・コメディーでしたが、随所でほろりとさせられ、ほのぼのとして、ラストは胸にじ〜んと響く、いい映画でした。
アクチュール 2011年 3月号 No.22 (キネ旬ムック)
表紙の高良健吾くんが、いつもの映画の表情と違ってナチュラルで素敵でした。
他に他も沢山の俳優さんが載っていて、何度見ても幸せな気分になりました。
私立探偵 濱マイクシリーズ BOX [DVD]
こんなにも贅沢なDVD−BOXが他にあるだろうか。シリーズものとは思えないくらいに色彩が違う3作を作り上げたスタッフや俳優の凄味が堪能できる。横浜・伊勢佐木町の一本路地を入ったところにある横浜日劇は、そのままセットかと思うくらいに「昭和」の雰囲気である。この2階に居を構える「濱マイク探偵事務所」を舞台に、第1作目はモノクロ、2,3作目はカラーで撮りあげた横浜の街は、いわゆるいま流行りの「ヨコハマ」ではない。黄金町や都橋商店街、大岡川といったどの観光ガイドにも載っていない、いわば横浜の「影」の部分だ。この探偵事務所を訪問するためには、入場料1000円を払わなければならないという設定も可笑しい。1作目は非常に軽い感じだが、2作目は大岡川の利権を巡るダークな物語(岡田英次が惚れ惚れするくらいカッコいい!)、そして3作目はホラーチックなアクション(おまけに山口智子×夏川結衣だぞ!)と、本当に観るものを驚かせる玉手箱のようなBOXである。濱マイクを演じる永瀬正敏は、これ以降マイクを超える役柄には出会っていない(山田作品に主演する昇華は見事だが)し、南原も磨赤児も本当に渋い。もうこれ以上は言いません。ぜひ観てください!