船に乗れ! Ⅰ (ポプラ文庫ピュアフル)
とにかくあっと言う間に全3冊読み終えました。
チェリストを目指している高校生が主人公なのですが、 オーケストラをやること、楽譜通りに楽器を弾く事、楽器で音を出すこと、それぞれがどれほど難しいのか描写してあり、とても興味深かった。
今まで読んできた音楽ものって、大体技術はとっくにクリアしてて、「恋している主人公が弾いたピアノがとても心がこもったからコンクールで優勝」的なメンタル勝負だったなあ。
「まず楽譜通りに弾いてみやがれ、それだけがどれほどそれが難しい事か」ってエピソードは新鮮だったしもっともだと思いました。音楽素人の考えですが。
音楽学校ってこういう事してるのね、と3冊分知らない世界に浸れてとても楽しめました。 何度も読み返す事が確実な本です。
ピエタ
18世紀のヴェネツィアを舞台に、慈善修道院で育てられた主人公を語り手として
修道院の音楽教師でもあった大作曲家ヴィヴァルディの死から始まる物語が紡がれていきます。
主人公エミーリアは、一緒に音楽教育を受けた幼馴染の貴族令嬢の依頼で
ヴィヴァルディの遺品から一枚の楽譜を探し出そうとするのですが、
その過程で様々な人々と関り、心に秘めてきた過去の出来事に向き合うことになります。
捨て子だったエミーリアは言わずもがな、未亡人となって実家で扶養される令嬢ヴェロニカ、
聡明な高級娼婦クラウディア、主人公の親友で天才的な演奏家のアンナ・マリーア…
それぞれに悩み、しがらみに縛られ、後悔を抱え、その想いと折り合いをつけながら
日々を生きる登場人物たちの姿は、時代や場所に関りなく私たちを映す鏡とも言えるでしょう。
人は誰も、いつ、どこに生まれるかさえ選べない。
くびきを持たない人はいない。
恋も夢もすべてが叶うわけではない。
それでも、よりよく生きること、生きようとすることはできるはず。
容赦なくも確実な時の流れと、それでもけして変わらないものがあることを教えてくれる
エピローグに、その静かな意志を感じます。
ダイナー
平山さん、SINKERで知って、
超怖い話でもっと好きになって、
メルキオールでもっと好きになって、
独白でもっともっと好きになって、
この作品でまた好きになった。
ボンベロもカッコイイけど、
個人的には九も好きw
異国の話みたいやのに、
完全に日本なのな。
世界中の俳優を勝手に配役して読んでたけど、
最終的には全員が日本人になってしまうのな。
でも九だけスティーブ・ブシェミにお願いしたいw
この人のん、えげつない描写が多くて
女の子におススメしたら嫌われる事が多かったけど
この作品なら大丈夫。
いつもの平山印で、でも色んな人が読める作品。
オレの中では、ここ何年かでベスト1決定。