パニック・ルーム [DVD]
中性的なジョディ・フォスターと、腺病質の少年のような娘のクリステンが、違和感無く母娘に見えてよかった。物語は正統なヴァイオレントサスペンスで、監督がフィンチャーと知って意外なほど。カメラの視線の先を無機的に追うやり方がゲームの画面のようで、かえって安っぽく見える気もした。当初キーパーソンになるかと思っていたラウールが、特に引っかかるようなキャラでもなく、覆面が脱げてからはただのチンピラ強盗といった描き方に収まってしまっていたのが勿体ない。全体には、犯人グループの中でも純朴で人間的なフォレスト・ウィテカーと、糖尿病を患うクリステンとの心和む接触などおいしいシーンも押えてあり、数多あるこのジャンルの作品中では水準以上の出来かと思う。
パニック・ルーム [DVD]
中性的なジョディ・フォスターと、腺病質の少年のような娘のクリステンが、違和感無く母娘に見えてよかった。物語は正統なヴァイオレントサスペンスで、監督がフィンチャーと知って意外なほど。カメラの視線の先を無機的に追うやり方がゲームの画面のようで、かえって安っぽく見える気もした。当初キーパーソンになるかと思っていたラウールが、特に引っかかるようなキャラでもなく、覆面が脱げてからはただのチンピラ強盗といった描き方に収まってしまっていたのが勿体ない。全体には、犯人グループの中でも純朴で人間的なフォレスト・ウィテカーと、糖尿病を患うクリステンとの心和む接触などおいしいシーンも押えてあり、数多あるこのジャンルの作品中では水準以上の出来かと思う。
パニック・ルーム [DVD]
冒頭の3〜40分辺りは人物や設定の紹介が主な役割をしめていて、見てて退屈だった。そこから、母子が「パニックルーム」に逃げ込んだあたりから物語は加速し始め、面白くなってくる。3人の強盗の人物像。「冷血漢で人を人とも思わない」「温厚で頭がいい」、「頭が悪くて激情家」や、「母と父が離婚していること。」「娘思いの母。」「娘の病気。」などの要素をうまく絡み合わせて、そこから生み出される「人間ドラマ」をうまく形づくっていると思う。また、「パニックルーム」という「絶対に破ることのできないシェルター」「家中に仕掛けられた監視カメラ」という「設定」と、それを「いかに破っていくか」「監視されていることを知ったうえでの駆け引き」といった「物語の展開」も、なかなか良くできていると思う。「演出面」においても、「カット割り」や「アングル」や「間のとり方」も、「ミステリー・サスペンスの見せ方」としてよく出来ていると思う。とくにラストの辺りの「スローモーション」をつかった「演出」は、個人的に凄く良かったと思う。「ミステリー・サスペンス好き」な人ならば、見て損はない出来だと思います。