マイマイ新子と千年の魔法 [DVD]
期待しつつも、もし出来が悪かったら話題にもせずに
「もう思い出さないようにしよう」
と考えながら観に行ったのは昨年のこと。
感動を心の金魚鉢にでも入れて持ち帰るつもりでしたが、
この映画はあまりに大物過ぎてポイで掬うことさえ出来ませんでした。
子供には難しい、これは大人向けではないかという意見も多いのですが、
理解しているつもりの大人のほうが先入観を持っているが故に
飲み込めていなかったりするのではないでしょうか。
こんな話だろう、こんなキャラクターだろう、こんな映画だろうと決め付けてしまう。
そうして観に行かなかった方も多いのではないかと思います。
そのような思い込みを次々にぶっ壊してくれるのがこの映画なのですが、
最初は映画そのものが破綻しているように感じてしまうことも多いみたいです。
子供のときには理解することが難しいけれど、大人になってからでは受け入れることが難しい。
そんな映画ですが幸いにもDVDが発売されることになりました。
最初はよく分からなかった方もこのDVDを繰り返し観ればちゃんと理解出来ると思います。
特別な知識は必要ありませんが、時計の長針短針から時刻を読み取るような感覚と想像力は必要です。
ささやかながら既に海外で幾つかの賞を獲得してはいますが、
この映画を最も理解し評価出来るのは新子や貴伊子と同じ国に生きる私たちではないでしょうか。
ブルーレイで発売されないことを嘆くより、
もっと多くの人が観ることが出来るDVDで先ず発売されたことを喜べる人のほうが
この映画に関しては得をすることが多いと思います。
はじめての麦わら帽子
著者は女優、司会者として見ることが多く、また本好きでエッセイも出していることは知っていた(絵本の翻訳については知らなかった)のだが、著書を読むのは今回初めて。生まれた娘にとっての「はじめて」は、そのまま自分の人生にとっても「はじめて」のものが多かった、ということを中心に書かれた、子育てやその合間に読んだり見たりした本や映画についてのエッセイで、著者の「ほんわか」した雰囲気が感じられる1冊。
妊娠中のあれこれ(食べ物の嗜好が変わるのは聞いたことがあるが、妊婦さんの中には食べ物じゃないものを欲する場合もあるという話にビックリ)、産院を何度か変えたこと、出産当日の話、神楽坂の三毛猫と授乳との関連(似た話は知り合いからも聞いた経験あり)、娘の初めての食べ物、娘の便秘の特効薬(本屋を巡ると・・・というのは聞くが、これはそういう効能があるとは思わないもの)、お花見デビュー(し損ねた)話、子ども同伴OKの飲食店など、読んでいて、世のお母さんたち100人いれば100通りの子育てエッセイがあるのだろうと思えた。また成長に従って、それぞれの話をおいおい子どもに語って聞かせているのだろう。そう考えると、世のお母さんは皆、子どもにとってはかけがえのないエッセイストではないだろうか?
その他、阿川佐和子との食を巡る交流、テレビで森見登美彦は著者のファンと公言していたのだが、そのお返しとなるような著者から見た森見登美彦について、他にも吉田戦車、穂村弘との交流や、本、映画、サハラ砂漠に行ったときの話など。
SAMURAI CODE [DVD]
TOYOTAのMARK Xのプロモだそうで、随所に同車が出てきますが内容が良いので全く鼻につきません。
兎に角「構成」と「カメラワーク」に優れた作品です。
監督さんは取捨選択のできる、優れた方なのだろうと予想できます。
(1時間未満の作品なので、これが出来る監督さんにあえて仕事がいったのかもしれませんね)
出演者の皆様も素晴らしい演技で、最後まで惹きつけられました。
集団の中で働いている方なら、興味を持って観ていただけると思います。
こんな上司の下でなら、私事よりも仕事を優先してしまいそうです。
また、男ならこんな人になりたい!と思わされます。
そして物語を通じて漂う切ない気持ち。男なら誰でも類似した記憶を持っているのではないでしょうか。
「ローマの休日」のラストシーンで覚えた、あの哀愁の念を思い出しました。
出演者の誰かが好き!とか、MARK Xが好き!といった理由がなければなかなか観るきっかけはないかもしれませんが、
機会があれば是非ご覧になっていただきたい作品です。
NHK ドラマ8 ふたつのスピカ <3 Disc Set> [DVD]
僕はあえて原作を読まずに挑みました。原作ベースのアニメも見てません。
キャストが全員いわゆる美男美女揃いでないところにリアリティを感じる。
…という戯言はおいといて。
夢、努力、友情、恋、挫折、そして出会いと別れ。
とにかく形(かた)としての青春ドラマに必要なものはすべて詰め込んであります。その上でキャラクターの描写や演技がスゴイ。とにかく若手主要キャストの演技、キャラクターの作り込みがすばらしい。全員にそれぞれ違ったアングルで感情移入できるという点では30年前の名作アニメ「機動戦士ガンダム」にすら匹敵します。
とくに、主要キャストの中では、能力的には凡人という描かれ方をしている、いわば脇役の府中野新之介と近江圭。彼ら一人ずつが物語の揺れ動く軸となっていて絶対不可欠な存在。高校生の男女混成グループというリアリティのあるムードを演出しているのも主にこの二人。
クドクドと冗長になることなく7話でまとめられたのも彼らの功績によるところが大きいでしょう。狂言回し的な位置でもあります。
話としては、現在進行なリアル中高生よりも、むしろ細田アニメなどに代表される「おっさんホイホイ」の類いです。おれの高校時代はこんなにキラキラ輝いた日々じゃなかった!と思わされること請け合い。でもこの作品の本当にすごいところは、ただ「青春ってイイナー;0;)」話で終わることなく、「大人になるって意外と悪くない」という前向きなメッセージが強力に伝わってくること。
そういう意味では歌はオレンジレンジじゃない方がよかったかも。
あと音声がよい。
各キャラクターのセリフが生々しく聞こえます。
残念な点もひとつ。
DVDでフルHDのテレビに出力すると各種アップスケールやら画質向上機能を調整・駆使してもやはり画質が悪い。もともと地デジで放送された作品であり、映像としては「フィルムの質感をめざした(オーディオコメンタリーより)」撮り方がされている部分もあるのだから、Blu-rayでも出してほしい。
それにしてもレンタル版とセル版で内容が違うとは。。。NHKも商売上手になったなオイ!
最後に、桜庭ななみ。
やっぱり君は走るのが速そうには見えない(笑)
Days of Heaven.―本上まなみ写真集
2000年の作品。「癒し系」タレント・本上まなみの5th写真集。
独特の個性を発揮する「ほんじょ」25歳のあたたかく、透明な存在感が余すところなく表現されています。
どんな背景・環境のもとでも、ひとりの女性としての自然体の美しさ、愛おしさが切り取られています。