朗読 日本童話名作選「でんでんむしのかなしみ」
自宅介護している病気の父親のために購入しました。
たくさんの話が入っていることと話し手さんの話し方が非常に聞きやすいので良いと思いました。
父親は、それなりの年齢のため、知らない話が多いかもしれませんが、基本的に童話ですので誰でも楽しめる内容だと思いました。
大いなる旅路 [DVD]
当時の国鉄の全面協力により、通常では考えられないアングルで多くの機関車を視る事ができます。盛岡機関区を中心に機関助手から始まり、機関士になるまで、現場一筋に頑張る主人公の30年以上にわたる物語です。モノクロ、モノラルながら、画面はきれいです。冬の鉄路に雪崩れが発生し、大正生まれの名機関車8620型を実際に転覆させてしまうのは、国鉄の全面協力の賜物です。これは、予告編で、カメラの前にすんでの所まで落ちてくる機関車が3台目のカメラで捉えられているのが判ります。ひょんな出逢いから、結婚し、4人の子供が生まれ、2人が戦死等により亡くなります。次男(若い高倉健が演じます)が運転する特急こだまに両親が乗り、旅をします。映画の中で2回、夜の列車が窓の明かりを灯しながら走るところを夫婦で視る場面は、自分たちが歩んできた人生とこれからの人生を列車による旅に見立てているのでしょう。良いシーンだと思います。なお、この作品は昭和35年公開の作品であり、撮影に2年間をかけたそうです。日本最初のカラー映画「カルメン故郷に帰る」が昭和33年公開ですから、モノクロ撮影は当然でしょう。
空白の桶狭間 (新潮文庫)
著者得意の歴史ミステリー。今回は、信長が今川義元を討った桶狭間の戦いに潜む謎に迫る。
たしかに、当時の信長と今川義元の軍勢の差を考えれば、信長の勝利は奇跡といえよう。その軌跡の裏側に隠された秀吉の謀略。
なかなか、よく出来たストーリーだ。
でも、最近の著者の作品は、最初の『信長の棺』に比べると、衝撃が薄い。著者のせいというより、著者の作品に読みなれてしまったせいかもしれないが。
でも著者の若々しい想像力には感服。
神君家康の密書
京極高次の妹は関白の側室であった龍子。
おかげで大名に取り立てられたということで「親の七光り」とは
逆だから「蛍大名」と陰口をたたかれた。(「蛍大名の変身」)
信長からの下賜品で、柴田勝家の持ち物であった高麗茶碗の名品
「勝家」をめぐる奇しき因縁「冥土の茶碗」。
そして表題作の「神君家康の密書」。
関ヶ原の戦いを前に、権謀術数の限りをつくして西方の切り崩しを
謀る家康。
その裏をかこうとする福島正則の家老福島治重の生き様を描く。
信長、秀吉から家康へと権力の移行期にあるいは意地を通し、
あるいは家を守り、あるいは名を惜しんだ3人の姿を、著者独特の
観点から描いた中編3編。
本書について共通するのは「滅び」の美学であろうか。
目的を達するまで至らぬまでも、意思を貫きせめて一矢報いる
「武士の一分」を美しいと思えるかどうかが、本書の評価の
分かれ目か。
点と線 [DVD]
この作品の存在は以前から知っていたが、どういうわけか、長年、ビデオ化がされず、(小倉にある松本清張記念館でさえ、見つけることは出来なかった)幻の作品だった。
私が、それほどに、この作品を見たいと思ったのは、この物語の舞台となった福岡市東区香椎というところに、住んでいたことがあったからだが、見てみると、それは、香椎という狭い空間に限定した話ではなく、当時の昭和三十年代という時代のもつ、空気そのものであった。
ただ、惜しいかな、肝心の主演の南廣のセリフがあまりにも棒読みであり、この点がどうしても、見るに堪えないものとなっている。
共演の名優、加藤嘉が、いい味を出していただけに、この点が、惜しまれてならない。