BETO GUEDES-DANILO CAYMMI-NOVELLI-TONINHO HORTA(ベト・ゲヂス - ダニロ・カイミ - ノヴェーリ - トニーニョ・オルタ)
この盤は純粋にToninho Horta参加の世界初CD化盤というコピーに踊らされて買ってきた盤となります。
Milton Nascimentのサウンド・コミュニティ「街角クラブ」を組成した4人のミュージシャンがそれぞれにそれぞれの演奏を寄せ集めて1枚のアルバムにしたものというで、1973年の作品となります。
各人の内訳は以下の通り。お目当てのToninho Hortaは2曲でした。
Beto Guedes : 1, 4
Danilo Caymmi : 5, 9,
Novelli : 3, 6, 8,
Toninho Horta : 2, 7,
他の参加メンバーは曲ごとに変わるので割愛。でも、錚々たる面々ということで良いと思います。
曲のタイトルは以下の通り。
1 Caso Voce Queira Saber
2 Meu Canario Vizinho Azul
3 Viva Eu
4 Belo Horror
5 Ponta Negra
6 Meio A Meio
7 Manuel O Audaz
8 Luiza
9 Serra Do Mar
曲をタイトルで覚えていないので、知ってる曲の有無など、特に気にせず聴き始めたのですが、第一印象として、全体の音楽、音作り、録音など、若干なりとも古い感じがするのは仕方ないところなのかなぁ ということ。
とはいえ、曲の良さはさすがに秀逸で、普段聴き慣れているToninho Hortaの楽曲や、聴いたことある曲(のおそらく初演)が散見されますが、しみじみ心に染みる旋律にうっとりさせられます。
しばらくMilton Nascimentを聴いていたこともあってか、このアルバムを聴いていて音楽として彼の影響力の大きさを考えないわけにはいかないなと、つくづく思いました。
彼のバンドで彼の音楽を演奏し、その影響下でこのような作品を作り、そこから独自色の強い曲で大成していったと考えると、当然の帰結ではありますが、それがミナスサウンドだと言われればそうなのかもしれませんし、ミナスサウンド=Milton Nascimentではないのでしょうが、それでもその影響大きいだろうことは容易に想像つきます。
それと、とても気になったのが、コードワーク、音作りの端々に初期Steely Danの影を多く見かけたこと。
つまるところ似すぎて笑っちゃう部分もありますが、それが良い感じにサウンドフレーバーとして効いているのも事実なんだろうなと。。
どっちが先かとか調べてませんが(多分こっちが先)、おそらく双方が双方に少なからぬ影響を与えていたであろうことが窺い知れます。
過去、数少ないとは言え、いくつかのブラジルの音楽を聴いていてここまで露骨に似た音を聴いたことがなかったので、ちょっとビックリするくらい。
そして、ミナスサウンド(Milton Nasciment影響下の音楽)に、自分が心惹かれる理由がこの辺にもあったのかと、なんとなく合点がいったところでもあります。
このアルバムを聴いていて、一番気になったのが、初期のSTEELY DANの音作りに近いサウンドが随所に出てくるところで、STEELY DANを良く聴いている人が、この盤聴くと結構驚く(というか、笑うというか、唖然とするというか)と思います。
STEELY DANのコアなファンだったら、それだけを目当てに買っても良いんじゃないかと言うくらいに..。
収録時間は短いですが、満足度は高いと思います。
セン・ヴォセ
ジョイスの歌声と、トニーニョ・オルタのガットギターが静かに響きあいます。
昔は2曲目のコヘンテーザが好きでしたが、久し振りに聴くと、
9曲目のオゥトラ・ヴェスの良さに気付きました。
いつもの元気良いジョイスとは違った、澄んだ音を聴くことが出来る一枚です。
ジョビンへの手紙~アントニオ・カルロス・ジョビン・トリビュート
トニーニョオルタの三枚目の最高傑作です。彼の曲がジョビンの曲と並べても劣る所がないことが分かります。音も、このアルバムで極めています。
世の中には、傑作を何枚か作る人はいますが、最高傑作を複数作った人は、そうそういないと思います。