ぼくとチェルノブイリのこどもたちの5年間 (ノンフィクション・隣人たちの哲学)
東野圭吾の「天空の蜂」を読み、原発のことも少しは知っておこうと手に取りました。小中学生向けに書かれたようですが、あの事件について拙い知識しかない私には、冒頭に簡潔にまとめられたあの事件の経緯だけでも十分勉強になりました。本書では、専門医の著者が多くの甲状腺癌の子どもを執刀した体験に多くのページが割かれており、あの事故の犠牲者のごく一部を垣間見ることができます。甲状腺の癌は男性より女性が罹患しやすく、放射線被害は大人より子どもに重大なダメージを与えるという事実もはじめて知りました。表紙は、タンポポが咲く美しい野原ですが、ここも人が住めないほど汚染された地域の写真だそうで、臭いも味もしない放射線物質の被害の恐怖を物語っています。
<勝負脳>の鍛え方 (講談社現代新書)
1.内容
意識、心、記憶は連動して機能している(p25。モジュレーター理論)そうだが、この理論をヒントとして、能力を鍛えるにはどうすればいいかを論じた本(p75からがコアの部分)。最終章は、著者が考えるスポーツにおける正しい「心・技・体」の使い方を示した内容。
2.評価
著者は脳外科医で、その経験を生かした提言もあり(たとえば、p97「脳の温度上昇に注意」)、使えそうな反面、根拠なく突然「遺伝子」が出てくる(自国を応援するのも遺伝子?)など、トンデモなところもあるので(そこまで言わなくても、脳外科医の範疇から超えている話ではあろう)、信用性がイマイチにも思われる。提言星4つ、信用性で星1つ減らして、星3つ。
医龍~Team Medical Dragon~ DVD-BOX
まず、第一話冒頭の戦場シーンや、裸になった坂口憲二の性行為シーンと、とてもプライムタイムのお茶の間に流れる日本のドラマとは思えない、映画的な作りからして引き込まれました。
そして手術のシーンですが、これは「白い巨塔」等の実績のあるフジテレビならではのリアルな描写で、坂口憲二が演じる朝田龍太郎が切開した傷口から直接手を入れて、患者の心臓を揉んで甦生させるシーンなど、下手したらグロい描写になりそうなのが、患者の命を救う崇高なシーンになっていて、日本の歴代の医療ドラマの中でも名作の一つだと思います。
それと、坂口憲二は原作コミックの朝田とはビジュアルは違うのですが、このドラマにおいては坂口以外の朝田は考えられないくらいハマっていて、渾身の演技だったと思います。背中の龍の形をした傷を視聴者に見せるためか、裸体を晒すシーンが多かったのですが、坂口憲二という俳優の、肉体美を含めた造詣の美しさを最高に引き出した演出だったんじゃないでしょうか?
また、彼の強い意志を感じさせる、或いは内面の哀しみを滲ませる目の演技は、今までの彼には無い、ベストな演技だったと思います。彼の俳優としての新境地を切り開いた作品ですね!
外科医ポン・ダルヒ BOX-I [DVD]
「白い巨塔」のヒットがきっかけになったのか、韓国でもいろいろな医療ドラマが生まれているようです。
このドラマ、病院内の派閥や医師同士のライバル感情を描いたあたりは「白い巨塔」的雰囲気だし、研修医が奮闘し上司との恋愛や友情の間で揺れる様はアメリカドラマ「グレイズ・アナトミー」のようでもあります。
ということは二番煎じ?いえいえ、これがなかなか・・・重い社会派と破天荒な恋愛系をうま〜くブレンドした韓国風の良い味わいになっております。
主人公は韓ドラではお馴染みの逆境に強いタフで明るいキャラクター。 なのにきゃしゃで清楚な雰囲気を持った女優、イ・ヨウォンさんにとても好感がもて、「チェオクの剣」で野生的な雰囲気が魅力的だったキム・ミンジュン氏との恋愛模様にやきもきしました。
たびたび医療専門用語が字幕で解説されていたり、病気への偏見や血縁関係へのこだわり、日本とは違った医療システムなど、いろいろ考えさせられ勉強にもなりました。