SPEEDWAY
私はライトファンですが、今作を意義深くて素晴らしい曲ばかりだと思いながら聴けました。先ずは安心できるメロディセンスが、今日においても並んでいる、それだけでもやっぱりTMは凄いなと素直に思えます。そこへ随所に飛び込んでくる思慮深い歌詞たち。そして意図的とも思えるシンプルなサウンドデザイン。それらの中で汲み取れたのは、TMの新しい視線とベクトルでした。
私にとって今作は齢を重ねた三人が今何を考え、そしてこの先どんな地平をみせてくれるのか、その表現を音楽に感じられた、非常に面白い作品です。例えば、あえてそんなことを記す6の詞には、むしろ過去にけじめをつけてゆく静かな視線を覚えましたし、同時に言葉の裏で握った拳もあったと思います。今作は今の齢だからこその表現の中に、彼らの今迄にない人間くさい姿があったのです。だから良い作品だと思えた次第です。
今TMに限らず邦楽の黄金期を飾った多くのベテランたちもまた、音楽人生の節目でその齢でなければ感じることのなかった精神や、新しい想いを吹き込んだ作品を生み出しています。それこそベテランだけの音楽の面白さでしょう。売れることが求められた季節が過ぎたからこそ、或は人に青春期があるのと同様にバンドに充実期があったからこそ、今新たな音楽の高みを書き込める頁が、未来へ敷かれていると思います。今作にはそういう面白みが溢れていたのです。
ここにきて私は1の小室氏のコーラスが好きになりました。決して巧くはないけどしかし、何か主題に乗せた氏の全力の歌い方は、これからの音楽やリスナーに対する、決然とした意志のように感じられるからです。また2における、あえて補正をしないユニゾンのばらつき、そこにほとばしっているエナジーの肌触りは、今の彼らの熱さを当に伝えんとしているようです。これらのポイントではデジタルなTMだからこその、アナログな手作り感が凄くいいなと思えます。
因みにそのデジタルサウンドは非常にシンプル。それがまた今作のいい味でして。例えば今天才と呼ばれるレイハラカミも、あえて非常に安く素朴な音源と機材環境で音を作ります。デジタルサウンドの代名詞ともいえる小室氏が今見せたかったものの意図を、感じとれるポイントの一つではないでしょうか。ラスト3曲のインストのうち、9でおこる転調の80s的なフレーズが逆にいま新鮮味を覚えました。
木根本 TM NETWORK/NAOTO KINE 楽譜集 「番外編」 メロディー譜&ギター弾き語り
全国展開の大型書店で問い合わせをしたものの販売しておらず、また入荷もいつになるか分からないとのことで、ネットで購入しました。
木根さん本人が音楽に出会ったいきさつや、SPEEDWAY時代の秘話、TM NETWORKの時代の
秘話を知ることができます。
特に、木根さんが作曲した楽曲についてのコメントはファンには嬉しいものです。
メロディー譜・歌詞にはコードが記載しており、ギターを弾く人、ピアノの弾き語りをする方にはうって
つけではないでしょうか。
私はピアノを弾けるのですが、コードが分からないので、ピアノ用に右手と左手の楽譜があれば言う事なし
だったのですが・・・。
木根さんの作曲する曲は、どれもメロディーが美しいと思います。
この”木根本”をきっかけに木根さん、TM NETWORKの曲をカバーして、その音楽性の素晴しさを知ってもらえたらと思います。
TIME CAPSULE all the singles
「金曜日のライオン〜Take It To The Lucky〜」から
「Nights Of The Knife」までのシングル曲が
全て収録された二枚組のアルバムです。
が、収録時間の関係上「RHYTHM RED BEAT BLACK (Version 2.0)」のみ
シングルCD版よりも一分半短い、カットバージョンとなっています。
仕方ないといえば仕方ないのですが、この点だけが個人的に残念で
星四つとしました。
ただ、「Beyond The Time 〜メビウスの宇宙を越えて〜」が、
シングルCDと同じカットアウトバージョンの収録なので、
この点は非常に嬉しかったです。
ユンカース・カム・ヒア [VHS]
この作品『ユンカース・カム・ヒア』は、犬なのに言葉をしゃべるユンカースと小学6年生の女の子とのファンタジックなアニメーション作品です。
内容は深くは話しませんが、「不幸なことがたてつづけに起きた少女にユンカースは『奇跡を起こせる力』で助力をしますが、この助力には代償が・・・」という感じです。
正直、見た感想はかなり切ないです。ネタは手垢のついたものですが訴えかけられるものは少なからずあると思います。