マンガの方法論3 マンガのネタ 1 (コミック)
この本の存在は新宿のでっかい本屋で並んでるのを見るまで知りませんでした。
まずハウツー本ではありません コミックでもありません
漫画も入ってますが全体の1割くらいですかね
どんなに売れてアニメ化される作品を描いたとしてもヒット作を出し続けられるハズもなく、連載が終わってすぐ次の連載があるとは限らない、漫画家とは一生続けられる職業なのか? と
漫画を描く技術は教えられるし誰でも描けるけれど売れる作品を描けないと仕事にはできない。
技術よりも親を説得して上京して部屋を借りて生活できんのか? など
僕も漫画の描き方の技術書みたいなのは何冊も読みましたし六田先生も読んできたそうです。
ですがそんなもの役に立つのか?っと問いかける本です。
こういう本が読みたい人は多くはいないでしょうね。ですが僕はこういう本が読みたかった。
ICHIGO二都物語 【コミックセット】
大手建設業の長男として生を受け、長じて連続殺人魔となった主人公、梅川一期(いちご)の破滅的な一生を、奥行きのある心理描写と複雑な人間関係をまじえて描いています。
物語は終戦直後、昭和27年に始まります。
主人公一期は、土建屋の社長の跡取として祝福されて生まれるのですが、生後すぐに患った肺炎や、それに伴う大手術、そして養生の為に家族から離れて暮らすことになるなどの、さまざまな要因から、自身の生に大きな「欠落感」を抱くことになります。
一期の明るくやさしい幼年時代、友人の多い高校時代など、外面的には社会に順応しているように見える一方で、折にふれ首をもたげる疎外感が、迫力ある描写で描かれます。
自分を押しつぶそうとする世界への、対抗手段としての殺人という一期の内因的な問題は、生誕時から過程を見守ってきた読者に、説得力をもって語りかけてきます。
同時に、戦後の社会復興、父と子の対立、人間を取り巻く都市論など、実にさまざまなテーマが複雑に描かれ、それが主人公一期に収斂していく展開は見事としか言いようがありません。
昭和のめまぐるしく変わる時代情勢がリアルに描かれ、作者の昭和論ともなっていると思います。
人生への制御不能の恐怖に振り回された一期の、「憎しみで人を殺せたらどんなに楽だろう」「おれの人生はいったいなんやったんやろな」というつぶやきが、読後いつまでも胸にのこりました。