幸運を引きよせるスピリチュアル・ブック―“不思議な力”を味方にする8つのステップ (王様文庫)
幸運になるための「心の持ちよう」を教えてくれる本。
霊的なこと関係なくてもすんなり読める本です。
自己啓発的な本にもよくある考え方です。
・今ある自分、これからの自分
・恋愛での考え方
・仕事での考え方
・心と体の関係
・お金とのつきあい方
・夢をかなえる
・幸せな人生のルール
・幸運を引きよせる1日の過ごし方
どの章をとっても私の心には響きました。
ここに書かれていることを『素直に聞き入れ、実行する』と、
必ず幸せになれると思います。
とりあえず頭でっかちな自分は捨てて、
ただただ受け入れられる人には5つ星の内容だと思います。
黒革の手帖〈下〉 (新潮文庫)
社会の底辺にうごめく人間がのし上がっていくストーリーや、悪党が本物の悪を相手に己の力だけを武器に対決するようなストーリーが大好きです。
読み始めた時は、そうしたピカレスクロマンを感じてワクワクしました。
その期待感が裏切られたのは、後半、主人公が罠にはめられてからです。
反撃するには残りのページ数が少ないな〜と思っていたら、結局反撃できないまま終わってしまいました。
結局作者が書きたかったのは、最後のシーンなんでしょうね。
最高に怖い結末。
ただし、僕のようにピカレスクロマンを期待した人には不充分な内容かな(作者は別にそれを狙っていないだろうけど)
ちなみにピカレスクロマンの最高傑作は、大藪春彦氏の(蘇える金狼)と思っています。
夜明け前 第1部(上) (岩波文庫)
幕末から明治への変動の様子を、父親をモデルにしたといわれる木曾、馬籠宿の当主を主人公に描いた作品、「夜明け前」。第一部は、大政奉還に至るまでの宿場町、江戸や京都の様子を描いています。大きな歴史の変動の中、自らの庄屋という立場をみすえ、そこでの生き方を考え続ける主人公。街道の様子にみられる史料的な記述や、彼を取り巻く人々の描写が、お話しの世界を広く、深くし、小説なのにnon-fictionのような読み応えを感じました。
山で迷い、暗くて押さえつけられたような夜を過ごし、やっと薄明かりがさして来て「これで進むことが出来る」とほっとしてはいるが、どこへ出るのか不安もある、本当に題名どおりの「夜明け前」の雰囲気で終わる第一部。ここで「大政奉還、さてどうする」という会話の最後に主人公が言う「まあ、賢明で迷っているよりかも、愚直でまっすぐに進むんだね」という言葉が心に残り、第二部ではどうなっていくのだろう、と思わせます。
実は「ふるさと」に描かれた藤村の言葉、馬籠の情景の優しさに惹かれ、子供向けでないものも、と読み始めました。「幼きものへ」「ふるさと」に通うやさしさと、「破戒」に通じる内面の苦悩描写(優しさがある分だけ苦悩も深いのでしょうか)、加えて歴史的な大きな視点、と多くの物が含まれている、やはり大作です。
余談ですが、「・・・・からで。」という書き方が随所にあり、あまり見慣れない文体なので面白いと思いました。藤村の他の作品では気づかなかったのですが、この作品だけなのでしょうか。
上下、に分かれている巻をそれそれ、を別個に評価するのは難しいです。