MARTINI HOUR(紙ジャケット仕様)
シティ・ポップからAORへ。
山本達彦さんが目指した音楽に大きく近づいた記念碑的作品。
達彦さんが目指したのは「粋」。
当時はそれが「キザ」ととられてしまう向きもあったようですが、
セールスが前作「太陽がいっぱい」と遜色なかったのでファンにも受け入れられたようです。
どのアルバムが良いかは人によって様々でしょうが、
より大人っぽいムードの曲で固められた本作は捨て曲もなく最高傑作と思います。
先発のCMソングだった「マイ・マリン・マリリン」はアルバムのカラーに合わせてリミックスされています。
以下紙ジャケ版に関する○×レビューです。
○な点
・何と言っても音が良い。
1曲目「MAY STORM」イントロの最初のベースの音でリマスターの効果が実感できます。
・ジャケが厚手の紙でしっかり作られています。
帯もオリジナルのステッカー帯のイメージで作られており好感が持てます。
ここは×…
・歌詞カードがオリジナルの縮小で字が小さくとても見にくい。
・コストがかかる紙ジャケとは言えオリジナルの10曲だけで2,500円というのは高い気がします。
同じ値段でボートラや最新インタビュー、解説等が入っているものと比べるとちょっと…
これらを総合して星4つとしました。
MEDITERRANEE(紙ジャケット仕様)
1985年3月発売のアルバム。
地中海をテーマに置いたことで、それまでの楽曲より“ラブソング”を浮き彫りにしている。
しかも各章で、男女の距離感が適度に異なるので、短編小説を音で体感しているかの様だ。
名曲「夜を抱きしめて」「雨に想いを」、これは達彦さんしか歌えないだろう!と思わざる得ないし、ビッグ・バンドの明るさを放つ「MON AMOUR」も“彼らしい”世界である。
23年経った今でも新鮮である。抑制を効かせた「MARTINI HOUR」とは違った大人のアルバムであるので、年齢を重ねても十分味わえると思う。
太陽がいっぱい(紙ジャケット仕様)
1982年録音で ジャケットには自前のバンドクレジットが最初に来ているが、やはりサウンド的に圧巻は2曲目やLAST GOOD−BYEにおいての井上鑑チームです。井上サウンドが炸裂している。日本に多くのアレンジャーはいますがこれだけの独自のサウンドがある人は唯一無比。アルバム全体はNOBODYのサウンドサポートもありR&R、R&Bが貫かれていますが、当時ガールフレンドと(女子大生のファンが多かったですね)コンサートに行った際はこのアルバムのサウンドとの差にいくらかがっかりししたが。。当時のJAPAN AOR風潮と一線を画していて正当派ソングライターとしても秀逸ですね。いまでもマイペースでコンサートやられているようで同世代としても頑張ってほしいです。