楽器の世界コレクション1 - ブランシェのチェンバロ - 18世紀ヴェルサイユ・クラヴサン音楽の美の世界 浜松市楽器博物館所蔵の名器“ブランシェ”による [DVD]
浜松市楽器博物館所蔵の18世紀フランスで製作されたチェンバロの名器が、世界的な活動を行っている日本の代表的チェンバロ奏者である中野振一郎さんの演奏で現代に蘇りました。
音質が非常に綺麗で、13インチ液晶テレビの小型スピーカーでもチェンバロ独特の響きと音色が見事に再現されていました。
博物館のレクチャーコンサートの収録なので、曲の合間にはチェンバロとピアノの構造上の違いを映像で示したり、超絶技巧の手元のアングルがあったりとCDでは不可能なDVDの特性を十分に活かした構成となっているので、音楽好きや楽器演奏者のみならず、音楽教育の教材としても使えるのではないかと思いました。
またDVDからWebにアクセスできるシステムが組み込まれており、浜松市楽器博物館のサイトや「世界の楽器コレクション」オフィシャルサイト(今回は先行販売なので現在鋭意制作中とのこと)にリンクするので、DVD購入後も発展性があって非常に面白いと思いました。
リンク先の博物館のサイトによるとCDのシリーズは多く発売されているので、このDVDシリーズの今後の展開が楽しみです。
デンオン・Jクラシック・コンサート・ライヴ [DVD]
高木綾子さんのDVD、まだ、単独では発売されていない現状において、高木綾子さんの素晴らしいフルートの演奏を、DVDの美しい映像で鑑賞できる貴重なDVDです。
高木綾子さんのフルート演奏の部分、ほぼ、毎日、鑑賞しています。
皆さんも、是非、この感動を味わってください。
国力論 経済ナショナリズムの系譜
現在の主流派経済学に疑問を感じている人は多いだろう。それは人を「底辺への競争」を誘う経済のグローバル化に理論的根拠を提供している。もし、あなたが主流派経済学では単なる障害として認識されている国家や政府をより積極的に評価する事で、この流れを食い止めようと考えるならば、入門書として本書は必読である。
主流派経済学がその始祖と認めるアダムスミスの主著名が「国富論」であるように、そもそも経済は国の一部として語られてきた。その意味で、経済は生活文化や歴史、芸術、宗教と同様、人間の集団たる国家の構成要素の一つにすぎない。それが、「豊かさ」という幻想に引きずられ、経済最優先の風潮が広がり、結果、底辺への競争を繰り広げているのだ。我々はどこで間違えたのだろうか。
著者は主流派経済学、マルクス経済学と違う第三の道として経済ナショナリズムを提案、これに繋がる思想を多くの偉大な経済学者、哲学者の中に見出してゆく。だが、それほど影響力を持っていたこの考えがある時を境に忽然と消えさり、現在、跡形もないのは不自然極まりないとふと気がついた。もしかしたら、マルクス経済学が冷戦におけるソ連の敗北により完全に否定されたように、第二次世界大戦におけるナチス・ドイツの敗北が経済ナショナリズムを否定したからではないのか。この勘が正しければ、経済ナショナリズムは国力増進に大きな効果を持つが、暴走する可能性もある、と言う事になる。この辺り、今後の個人的な課題にしたい。
なお、著者は経済ナショナリズムとナチズムとはなんの関係もないとしている。