LAコンフィデンシャル〈下〉 (文春文庫)
映画「LAコンフィデンシャル」を見てこの暗黒のLA4部作を読もうと思ったのですが…。
とてもおもしろかったです。
というか映画を先に見てしまったのを少し後悔です…。
全部読み終わりましたがまたブラックダリアから読もうと思います。
フェイク シティ ある男のルール<特別編> [DVD]
真相を暴いた後のキアヌの暴れっぷりを期待していたのだが、案外大人し目。
欲を言えば真相にももう一捻り欲しかった。
雰囲気や構成、演出、役者が良かっただけに惜しい。
L.A. Confidential
映画が話題になったときに読み始めたが、スラングだらけの普通じゃない文体(体言止めがやたらと多い)に悩まされ一時は翻訳に逃げた。でも、原文の持つ独特のリズム感に引き戻されて苦労しながら読みとおした。The Black Dahlia, The Big Nowhereに続き、White Jazzへと続くロス警察四部作の3作目だから、この順に読んだ方がいいと思う。メインの事件はつながっていないが、共通する人物がいて物語の大きな流れを作っている。登場人物のほとんどが悪人であり、かろうじて感情移入できる人物がいても大きなトラブルを抱えている。事件が片付いて善人は家に帰れるようなオーソドックスな警察小説が好きな人には薦められない。でもこの強烈な魅力にハマると抜けられなくなること請合い。映画を観た人にも、映画では省かざるを得なかった多くの登場人物とサブプロットが複雑に絡み合った迷路をたどる楽しみが待っている。
L.A.コンフィデンシャル【字幕版】 [VHS]
見ごたえのある映画でした。脚本や当時のロスの時代背景、退廃的な雰囲気を再現した点は予想を遥かに上まるできでした。ラッセル・クロウにケビン・スペイシー、ガイ・ピアース等々と男優陣は最高のキャスティングなのになぜキム・ベイシンガーが相手役なのかが少し疑問。
ストーリー自体は、それほど複雑ではありませんが、複線の張り方が見えそうで見えないぐらいの絶妙なところにおさえているので最後まで飽きずに興味を持続することができました。でもやっぱキャスティングが全てな映画といわれれば、実際そうかもしれない・・・。
LAコンフィデンシャル〈上〉 (文春文庫)
悪徳と陰謀渦巻く五十年代のLAを舞台に、それぞれ立場も性格も異なる三人の警官と三つの事件を軸に時代のうねりを描く大作。
まず三人の警官の対比がいい。
上昇志向が強く潔癖なエリート警官エクスリーと少年期のトラウマから女への暴力を憎むバド、誤って市民を射殺した過去をもつゴミ缶ジャック。血のクリスマス事件で出世の明暗を分け反目しあう三人がそれぞれの譲れないものを胸に共闘に至る過程に引き込まれる。
特にエクスリーの人間的弱さに惹かれる。
父親へのコンプレックスを払拭しきれず、「完全なる正義」の有り方について苦悩し続けた彼の終盤の選択に胸が熱くなる。
互いに憎み合っていたバドとの間に芽生える同志としての連帯感、二人が接近するきっかけとなる「突き飛ばしてくれてありがとうよ」の台詞が後の伏線になる構成も心憎い。
P362、自分が育った家を見て回るエドの胸中に去来する追想と父への別れの台詞には喝采を送りたい。
エピローグの美しさ切なさは絶品。
なにもかもを犠牲にして なんの意味もない栄光。
最後のページを閉じた時、上巻冒頭に掲げられたエピグラフの意味が真に理解でき、言葉にならない想いが押し寄せる。