グレッグ・レモン
長さ:: 9:15 分
ツール・ド・フランスを制したアメリカ人と言えば、とかくランス・アームストロングに陽が当たりがちだが、アメリカ人として初めてツールに優勝したグレッグ・レモンの功績も忘れてはならない。
そんなレモンの幼少期から、現役引退までのドラマが読者を飽きさせることなく綴られている。
かたや母の腕ひとつで育てられ、経済的に恵まれてはいなかったランスに対し、裕福な家庭で父親の全面的なバックアップを受けたレモン。また、ランスはトレック、ナイキ、USポスタルといったアメリカ企業からスポンサーを得たのと反対に、ヨーロッパチームに所属し、大半のサポートもヨーロッパ企業から得ざるを得なかったレモン。
自転車レースファンにとっては二人のヒーローのそういった対照的な面を知る上でもおおいに役立つ著書といえるだろう。
また、
・ベルナール・イノーとの確執
・狩猟中の事故による大怪我と盲腸の悪化による大病から復帰してのツール制覇
・自転車レース界に初めてDHバーを持ち込み、2位のローラン・フィニョンに8秒という僅差での勝利
といった自転車レース界での伝説とも言える逸話について知りたい読者にも薦めたい。