青の軌跡〈上〉 (リンクスロマンス)
ボーイズラブ作品だが、その枠を超えたSF小説でもある。
設定は未来、舞台は宇宙。
未踏査領域Σー23を目指す航宙船の中で広げられる、事件と恋愛(と言い切れるかどうか、、)の物語の展開に、ドキドキすること間違いなし!
とにかく、出てくるキャラクターはみんなそれぞれ魅力的だし、(ほぼ4人しか出てこないが)、ボーイズラブと言ってもただの恋愛に収まりきってないのがいい。
設定上、専門用語的なものも多く出てくるが、ほとんど気にならずに読める。
主人公であるカイと三四郎の関係も行方が気になるが、事件の原因となった「青」の正体も予測しがたい。下巻とともに買うべし!絶対続きがすぐ読みたくなる!
ネオアルカディア―奇跡の涙 (リンクスロマンス)
寡黙だけれど、情熱的な王・バルと
繊細で心優しい森の聖霊・レリスのお話です。
橘先生のファンタジーは、世界設定がとてもしっかりしています。
それだけに、その状況説明に裂かれるページが多くなってしまっているのがちょっと残念です。
仕方のないことでもあるんですけれども。
そして受は森の聖霊というイメージどおり、イラストといいとても美しいのですが
もう少し男性らしくてもいいと思います。
話し方や考え方といい、女性の聖霊と言っても殆ど違和感がない気が…
書き下ろしが二つあり、ひとつは闇の王と虹の御子のお話、もうひとつはバルとレリスのその後です。
美形だけど一見怖い感じの闇の王が、なんとなく虹の御子のお尻にしかれ気味(かな?)なところが、
シリアスな話なのに楽しかったです。
橘先生曰く、一応構想はあったようなのですが
個人的にはショア×ルカのお話も読みたかったです。
レリスに片想いしていた騎士ショア、バルを長年思い続けた小姓ルカ。
本編では報われなかった二人なので、ちょっと可哀相かなぁと。
純白の奇跡―クリスマス・ストーリー2006 (クリスマス・ストーリー (2006))
**本当は死ぬほどヒロインが好きだったヒーロー**
ヒロインは意に染まぬ結婚から逃れる為に、放蕩者ヒーローに助けを求めます。過去に一度振られたヒロインはヒーローへの気持ちは整理したものと思っていましたが、再会すると昔の感情が蘇り再度恋に落ちてしいます。そしてヒーローはある事情からやむなくヒロインを振ったのですが、一緒に過ごす内に自分の心に嘘が付けなくなり、ついにヒロインに対しる感情を認めることに。ヒーローの心を知ったヒロインは何とかしてヒーローに求婚して貰う為にある事をするのです。
ヒーローの辛い過去が放蕩者にしてしまったのですが。。。
元気なヒロインが魅力的でした。まさに前向きなヒロインと否定的で暗いヒーローは対照的で、太陽と月といった感じでしょうか。
短編なのに、ヒーローの心理的変化が良く描かれている作品だと思います。
酔っぱらって本音を吐き出したヒーローのセリフは面白かったですね。
クリスマスストーリー収録作品になります。