砂の器〈下〉 (新潮文庫)
加藤剛主演で映画化された作品を学生時代に見ておりとてもなつかしく、再び購入して再読しました。
後半の謎解きは文学生が低くなるものの、ハンセン病や社会の差別があったことを考える良い機会になりました。風化しない作品とはこのような作品でしょう。「白い巨塔」といい昔は問題を提起する素晴らしい作品があったとつくづく考えさせられました。
清張作品でもベスト3に入る作品だと思います。
砂の器 サウンドトラックより ピアノと管弦楽のための組曲「宿命」
初めて聴いたのは当然劇場だった。この音楽とともに流れる日本の厳しく美しい風景と親子の姿を見て涙した。刑事役の丹波哲郎が、捜査会議で犯人について語り始める頃からシンクロするこの「宿命」は、本当に素晴らしい。
砂の器 デジタルリマスター2005 [Blu-ray]
映画が名作であることはネット上にも数多くの文章で確認できるので、ここでは仕様と画質について。
まず自分は2005年リマスター以前のDVDを持っています。
2005年のリマスターは将来のHD化を見越して行われたりストアで、これまでもDVDとHDDVDの2つが出ています。
今回Blu-ray版ではじめてこのリマスタリングの成果を確認しましたが、残念ながら、同時期の洋画に比べてあまりレベルの高いものとは感じられませんでした。
この時期の邦画によくあるようなリマスタリングで、とにかくHDらしい細密感に欠けています。一見しただけではDVDと区別が付きません。
たしかに景色などのディテイルは少し細かくなっているし、アップショットの肌の質感なども少し情報が増えているのですが、輪郭のシャープさが無いのです。
もちろん過剰な輪郭強調の弊害を思うと、これはこれでひとつの選択であろうとは思うのですが、HD化に際して多くの人が期待するのはやはり細密な高解像画質であろうと思います。そこを期待すると拍子抜けしてしまうかもしれません。
旧マスターと明確に違うのは色味です。淡くグレイっぽい色調だったのが、全体にかなり濃く鮮やかな色に変わっています。
クライマックス辺りの風景などはなかなか綺麗です。しかし赤みの強い肌色などを見ると、作品の時代性にふさわしいアナクロさといえなくもありませんが、やや過剰という気もしてしまいます。
その他について言えば、全体にノイズは少なく、グレインも目立ちません。フレームのがたつきや明滅も気になりません。
フィルムライクでソフトな画調に好みが分かれるところですが、DVDより高品位であるのは間違いなく、ある程度の割り切りさえあれば安心して楽しめるソフトということは言えそうです。
あと特典映像は予告のみで、少し物足らないところです。さらなる仕様の向上を願いつつ、★4つの評価にしておきます。
日本の黒い霧〈上〉 (文春文庫)
本書は、1960年の文芸春秋に連載され、1974年に文庫化された本の新装版(2004年12月発行)。
取り上げられている下山事件、「もく星」号遭難事件、白鳥事件などから半世紀以上の時間が経過しており、いずれも「歴史」の一部になりつつあるが、今読んでもさまざまに考えさせられることが多い。
著者は、戦後の諸事件を、GHQ内のG2とGSの勢力争いや共産党対策を目的とした謀略史観から丹念に構成している。私は、これらの事件は名前だけで内容はほとんど知らなかったが、その知識を得ることができた。そして、現代にあって、日ごろ何気なく事件のニュースをみているが、その背後の事情を余り深く考えていなかったことに改めて気付かされた。
事件そのものが相当昔の事件であり、著者も読者が他の報道で多くの情報を持っていることを前提に書いているため、ややわかりにくい部分もないではないが、内容がとても興味深いものであることから、引き込まれてしまう。実に興味深い本である。
Inspector Imanishi Investigates (Soho crime)
この英語の題名ではわかりにくいですが、原作はnakai hiroshiさんで
昔はkato goh さんで主演された「砂の器」です。
とてもわかりやすい英語で高校生くらいのかたも英語の勉強になると
思いますが、ただ内容が昭和のとても古いこと
(例:奥さんが全部旦那さんの世話をする)が場面が何度も出てきて
ちょっと理解できないこともありました。でも今まで全くわからなかった
砂の器もやっとこれで読めてスッキリしました。星が4つの理由は
昭和の古いことが多くて理解ができないところがあったからです。