曽根崎心中 【初DVD化】
増村保造監督作品は決して万人向けではありません。 特に私と同じか、それ以降の世代の観客の大半は、この“曽根崎心中”の狂おしいまでの激情の描写を見て吹き出してしまうと思うのですが、正直に告白しましょうー私はこういうの大好きです。 悪役・久平次のあの悪魔のような洪笑までもー。
ヒロイン役の梶芽衣子さんのらんらんと輝く瞳もすばらしい。 “女囚701号−さそり”や “修羅雪姫”と並ぶ彼女の三大名作の一つだと思います。 名乗り出られない徳兵衛に代わって久平次に啖呵を切るときのカッコ良さ。 しかも徳兵衛がその梶さんのおみ足に軒下で熱いキスを捧げているーという前代未聞のエロティシズムーこれには本当にぶっ飛びました。 “愛憎”という言葉は増村作品の代名詞ですが、まさにその愛と憎をまったく同じ時間軸の中についに映像化してしまいました。 残念ながら日本映画がどんどんやせ細っていった時代の、しかもATG作品なので映像の貧しさは否めないのですが、増村作品の特徴を遺憾なく発揮できた最後の作品(その後の二本は残念ながら良くありません)で、ファンなら押さえておきたい秀作です。 そして増村作品をすでに何度か見てその作風を熟知している方なら、彼の最後の情熱の燃焼に満足行く事は請け合いです。
青木功 プレッシャーを楽しんで (私の履歴書)
タイトルの通り、生立ちから現在までを赤裸々?に語った、ザ・青木功とでもいうべき作品。幼いころの話から、プロゴルファーになり、下積みを経て、成功し、様々な人と巡り合い・・・という内容が、氏の独特の語り口調で収められている。中でも、有名なニクラウスとの死闘〜友情、家族、大物政治家との出会い、そして、ジャンボへの進言などはとても興味深く読むことが出来た。ひとつひとつの項目がとてもコンパクトにまとめられているのでテンポ良く読むことが出来、肩肘張らずに楽しめる作品になっている。ただ、あまりにコンパクトすぎるというかもう少し深く話して欲しかった感は否めないのと、全体的に氏独特の「やたら自信家口調」になってしまっている(それが彼の最大の魅力でもあるのだが)点が★マイナスひとつというところか・・・勿論、青木功ファンには十分楽しめる内容になっているのは間違いない。まさに青木節、炸裂!の一冊。
パットの神髄 (知的生きかた文庫)
ごま書房から昭和57年に発売された「青木功の芝の読み方」を、加筆・再編集・改題した上で復刊した一冊。
パッティングの方法論や芝の読み方など、基本は20年を経ても大きく変わっていないのだと、痛感する。
文章自体に大きな変更は加えられていないようだが、ごま書房版は半分ほどのページがカラー印刷であり、かつ、写真や挿し絵もふんだんに織込まれていて、視覚的にも勉強出来る構成となっている。(グリーンの構造や、芝の根付き方、品種による芝の差などを、写真と画で解説していたりする)
無論、パッティングの名手である青木功プロの教えを埋もれさせる事なく、改めて光を与えたという意味では貴重な一冊。
さりながら、本書の素地となった書籍の方が、良い出来である事など、「どうせ復刻するのなら、もう少し力を入れてくれれば‥‥‥」と、残念に思う箇所が少なくない。
(初版の刊行年月日を考えると、2007年度の日本シニアオープンにて、青木プロが長年愛用していたパターを変えた理由は、絶対に掲載して欲しかった!)
ザ・ゴキブリ [DVD]
本作の『ザ・ゴキブリ』と前作の『ゴキブリ刑事』。
ともに銀座の名画座で見て、テンポのよさと、
無機的なコンビナートロケーションにしびれました。
『西部警察』のルーツとの声もあるそうですが、
アウトローな雰囲気が皆無の西部署大門とくらべて
面白さは比較になりません。
ただ正直なところ、DVDを愛蔵する気は起こりませんでした。
『ザ・ゴキブリ』は、安部徹、南原宏治、河津清三郎、青木義朗、と
脂ぎっしゅな脇役陣のテンコ盛りで、じゅうぶん再見に値しますが、
1回見ればもういいかな、と。
ブルドーザーで暴力団を殲滅する『ゴキブリ刑事』のほうが
映画的には単純明快で、出来がいいと思いますし。
でも、結局買ってしまったのは、
特典に、渡辺岳夫のサウンドトラックが入っているから。
昨年出たCD『渡辺岳夫の世界・ドラマ編』はやや期待はずれでしたが、
これはすごいです。
「どうせ、数曲だろ」と思っていたら、裏切られました。
『ゴキブリ刑事』と『ザ・ゴキブリ』あわせ、全45曲!(本編未使用4曲含む)。
同時代の刑事ドラマの劇伴といえば、天知茂の『非情のライセンス』があり
こちらはCD化されていますが、それと聞き比べるのも一興です。
これを買わずして、ナベタケファンを称して欲しくないです。
ちなみに同封の解説書には、渡辺岳夫の解説しか書いてありません。
渡辺岳夫に興味のない人には、解説書のつくりは★です。
ゴルフボディの作り方―ゴルフ肉体改造バイブル スイングが変わる!飛距離が伸びる! (SJ sports)
ゴルフ技術の向上は自己流では難しい。
でも、スイングの基になる身体のトレーニングは、自分で幾らでもできる。
その指南書として非常にわかりやすく書かれています。
納得することばかり!