ゴールデン☆ベスト 大橋純子 シングルス
とにかく、歌唱力はピカ一。さらに、美乃家セントラルスティションとの組み合わせは、おそらく、日本音楽史上最高と思われる。あまりのレベルの高さに、対抗して?山下達郎やサザンの桑田、世良公則らが即席バンドを作った話が事実として残っている。ファンならずとも、ぜひ、揃えておきたいベスト盤である。ちなみに彼女は夕張出身。夕張メロンより価値がありますよ!
CRYSTAL CITY
ジャケットの写真は新宿住友ビルディング。通称“三角ビル”と呼ばれ、このアルバム(1977年)が発表される数年前(1974年)に竣工した。当時はまだ新宿西口も高層ビルが少なく、それゆえ西口があたかもマンハッタンのように変貌を遂げつつある、まさにそのまっただ中にあって、時代の変化を体感できる重要なスポットであった。音楽もそれまでのフォークブームが一段落しつつあり、替わっていわゆる“シティミュージック”が台頭してくるのであるが、それは1976年に雑誌「ポパイ」が創刊され、また渋谷、原宿、新宿、池袋などを若者が闊歩する時代の到来と重なっている。60年代の街が討論と争乱の場であったとすれば、70年代後半の街は若者のステージであった。本アルバムは、そうした雰囲気をものの見事に伝えている。サウンドのアレンジ、詞の一字一句、そして大橋純子の歌から“街がステージになりつつある時代”の匂いを感じて欲しい。(なおこの時代のサウンドは、カーステレオで聴くと実に抜けがよいので、ぜひお試しあれ)