Atomic Rooster
ブリティッシュロックバンド、アトミック・ルースターの1st。1970作
オルガンを中心にしたギターレスのトリオ編成ながら、
ELPのようなクラシカル志向ではなく、あくまでもハードロック、
そしてブルーズロック的な質感で聴かせるサウンド。
ドラムを叩くのは後にそのELPに加入するカール・パーマーで、
手数の多いドラミングはこのサウンドの核をになっている。
朗々とした歌声とほのぼのとしたオルガンの音色のギャップがある意味個性的で、
フルート入りの曲もあったりとプログレとハードロックの狭間を行き来する。
Made in England (Reis) (Dlx)
'72年発表。
ディープ・パープルのようなハード&ヘヴィなオルガン主体の音で好評を博しシングルヒットも有りながら現状に満足する事なくリーダーのヴィンセント・クレインは前作で専任Voのピーター・フィンチという新たな血を導入する。が、クレインの指向する黒っぽいファンキーな音楽性はバンド内の分裂を生み、クレイン以外のメンバーは脱退してしまう。失意に沈む間もなくクレインが新たに獲得したのはブリティッシュ・ロックの重鎮的ボーカリストのクリス・ファーロウだった。ファーロウもまた黒っぽいVoであり、バンドの音楽性はよりファンキーになりながらも(2)のようなシングル・ヒットも狙えるような楽曲もありアトミック・ルースターとしての個性は失われてない。とはいえバンドの音が壊れそうなくらいに熱唱するファーロウの声とそれによって生まれる独特の緊張感が本作の魅力である。