1%の向こうに見えるまちづくり―市川市発!市民が選ぶ市民活動団体支援制度
住民が納税額(市民税)の1%を、自ら希望するNPO法人に補助することができる制度について紹介したもの。
ハンガリーの制度にならったものということだが、NPO法人としては少額の補助でも大きな助けになること、住民からは自ら予算の使い道に直接関与できるという意義がある。
とはいえ、独創的であるため、制度創設までの苦労はいろいろあったようだ。その経緯がこの本を読めばよく分かります。
すぐやる課をつくった男―マツモトキヨシ伝 (DIME BOOKS)
前半は「薬局マツモトキヨシ」草創期の物語、後半は松戸市長としていわば「殉職」するまでを描いた話。雑誌連載は前者に偏ったため、単行本化にあたって後半部を大きく加筆したという。
安売り薬局としての松本の姿勢は今では珍しいものではないし、「すぐやる課」のこともすでに各所で語り尽されている。では、どこを読むべきか。
この本のポイントはそれ以外の比較的地味な点、たとえば人事評定改革だとか、「市民はお客さま」のスローガン、道路舗装と学校体育館整備(これは高度成長期だからこそできたことだが)、死の病床でもなお市政を思わずにはいられない強い信念、などである。
彼は幼少期から晩年まで、すぐやる課のスローガン通り「すぐやり得るものはすぐにやります」を実践した人であった。ただそれだけなのに、それがいかに難しいかは、彼が亡くなったときの市広報の「巨星墜つ」との見出しにはっきり読みとれる。
人の上に立つすべての人に読んでほしい一冊。